9. チタンと歯冠用硬質レジンとの接着について―熱サイクル負荷試験後の破断面の様相
「I. 目的」本研究では, 支台装置の一つであり, たえず変形が生じるコーヌス義歯の外冠へのチタン応用に際し, より効果的に接着する硬質レジンを検索するため, 熱サイクル負荷試験前後の試料を圧縮剪断試験, 三点曲げ試験, 接着破断面の観察を行い, 比較検討した. 「II. 方法」JIS第2種のチタンを圧延加工, 鋳造によって製作した試料を用い, 硬質レジンには, ニューメタカラーインフィス, エプリコード, プロシモ, ソリデックスを選択した. 鋳造用試料はTitavest CBにて埋没, 鋳造後, 圧延版とともに寸法を調整し, 硬質レジン積層部に平均50μmのアルミナ粉末にてサンドブラスト処...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2004, Vol.48 (2), p.308-308 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」本研究では, 支台装置の一つであり, たえず変形が生じるコーヌス義歯の外冠へのチタン応用に際し, より効果的に接着する硬質レジンを検索するため, 熱サイクル負荷試験前後の試料を圧縮剪断試験, 三点曲げ試験, 接着破断面の観察を行い, 比較検討した. 「II. 方法」JIS第2種のチタンを圧延加工, 鋳造によって製作した試料を用い, 硬質レジンには, ニューメタカラーインフィス, エプリコード, プロシモ, ソリデックスを選択した. 鋳造用試料はTitavest CBにて埋没, 鋳造後, 圧延版とともに寸法を調整し, 硬質レジン積層部に平均50μmのアルミナ粉末にてサンドブラスト処理し, 超音波洗浄, 乾燥後に硬質レジンを築盛(圧縮剪断試験:φ6.0×5.0mm, 三点曲げ試験:5×5×1.1mm)した. 10,000回の熱サイクル負荷を行った後, 圧縮剪断試験(クロスヘッドスピード1.0mm/min), 三点曲げ試験(クロスヘッドスピード0.5mm/min, 支店間距離20mm)を行い, 破断面を画像処理し, 残存レジン面積比を算出した. 「III. 結果と考察」熱サイクル負荷を加えることによって, 各種レジンの剪断強さ, 曲げ強さおよび残存レジン面積比が減少する傾向を示した. これまでに報告されてきた研究では, 熱サイクル負荷による接着力の顕著な変化はなかったが, 今回の実験で設定した10,000回の熱サイクル負荷によって明確な傾向が認められた. 本実験条件で試料に加えたたわみ量は, 実際のコーヌス義歯の外冠のたわみ量よりも大きいのにもかかわらず良好な値が得られたため, 臨床上これらのレジンで問題なく前装することが可能であると推察された. |
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ISSN: | 0389-5386 |