6. 強電解酸性水をアルジネート印象材練和液として応用するための基礎的実験
「I. 目的」強電解酸性水は従来の消毒薬と比べて遜色ない殺菌, 消毒効果が得られる事が明らかになっている. そこで本実験では強電解酸性水で練和したアルジネート印象材の臨床応用を目的として, 強電解酸性水で練和したアルジネート印象材のpHの測定, 永久歪み, 弾性歪み試験について検討を行ったので報告する. 「II. 方法」実験1. アルジネート印象材は変色性ハイテクニコールを, 練和液としては4種類の強電解酸性水と水道水を用いた. 印象材はメーカー指定の粉液比にて15秒間機械練和した. 硬化時間の測定は, 練和開始から1分, 1分30秒, 2分, 2分30秒, 3分, 3分30秒, 4分, 4分...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2003, Vol.47 (3), p.620-620 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」強電解酸性水は従来の消毒薬と比べて遜色ない殺菌, 消毒効果が得られる事が明らかになっている. そこで本実験では強電解酸性水で練和したアルジネート印象材の臨床応用を目的として, 強電解酸性水で練和したアルジネート印象材のpHの測定, 永久歪み, 弾性歪み試験について検討を行ったので報告する. 「II. 方法」実験1. アルジネート印象材は変色性ハイテクニコールを, 練和液としては4種類の強電解酸性水と水道水を用いた. 印象材はメーカー指定の粉液比にて15秒間機械練和した. 硬化時間の測定は, 練和開始から1分, 1分30秒, 2分, 2分30秒, 3分, 3分30秒, 4分, 4分30秒, 5分での色の変化の肉眼的観察を行った. 同時に, 印象材のpH値の変化も測定した. 実験2. アルジネート印象材はアローマファインDFIII(GC:以下AFIIIと略す)を用い. 他の条件は実験1と同様にした. 金型を用いて直系13mm, 高さ20mmの円柱状の試験片を製作し, 永久歪みおよび弾性歪みを測定した. 「III. 結果と考察」強電解酸性水で練和したアルジネート印象材はpH7.0付近の中性に到達する時間がコントロール練和と比較して若干速い傾向を示した. 今回使用した4種類の強電解酸性水で練和したAFIIIの弾性歪みはJISの規定している4~20%以下の範囲内だった. また, 永久歪みもJISの規定している5%以下の範囲内だった. 以上の結果より, アルジネート印象材の強電解酸性水練和はコントロール練和と比較しても印象材の物性に対する影響は少なく, 臨床に使用可能であることが示唆された. |
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ISSN: | 0389-5386 |