19. 咬合異常関連症候群を伴うC型肝炎患者に対しインプラント補綴を行った症例
「I. 目的」:咬合異常症候群に起因すると思われる偏頭痛を有し, 高血圧, 不整脈, 糖尿病, 不定愁訴を有するC型肝炎患者に対し歯根型インプラント補綴を用い咬合の再建を行い, 多くの症状の改善に成功したので報告する. 「II. 方法」:患者は初診時64歳男性で平成12年4月に咀嚼障害を主訴として来院した. 1」, 6┬6はサファイアインプラントを埋入され, 全顎的に補綴されていた. また, 糖尿病とインターフェロンα2b・リバビリン投与の影響と思われる重度の歯周病を罹患していた. 嘔吐反射が激しく, 患者も希望したためインプラントを用いた固定式補綴物を選択した. 保存不可能と判断した6542...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2003, Vol.47 (3), p.616-616 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」:咬合異常症候群に起因すると思われる偏頭痛を有し, 高血圧, 不整脈, 糖尿病, 不定愁訴を有するC型肝炎患者に対し歯根型インプラント補綴を用い咬合の再建を行い, 多くの症状の改善に成功したので報告する. 「II. 方法」:患者は初診時64歳男性で平成12年4月に咀嚼障害を主訴として来院した. 1」, 6┬6はサファイアインプラントを埋入され, 全顎的に補綴されていた. また, 糖尿病とインターフェロンα2b・リバビリン投与の影響と思われる重度の歯周病を罹患していた. 嘔吐反射が激しく, 患者も希望したためインプラントを用いた固定式補綴物を選択した. 保存不可能と判断した6542⊥1246, 7543┬3457を抜歯したがテンポラリーインプラントは埋入予定部位がファイナルインプラントと重複したため用いなかった. 上下顎に歯根型インプラントを埋入した後, 上顎の上部構造は純チタン鋳造物とハイブリッド硬質レジンを用いた補綴物を製作し, 重量を軽減した. 下顎位は顎二腹筋と側頭筋の筋電図を参考にマイオセントリックにより決定した. 「III. 結果と考察」:糖尿病やC型肝炎治療のため服用した薬剤の結果と思われる重度の歯周炎を伴う歯牙と比較して, 24年前に行われたサファイアインプラントは, 動揺していたがその周囲粘膜は健常であった. また. この薬剤は本症例のインプラント治療に対し影響は見られなかった. 補綴治療の結果, 咬合が安定し咀嚼機能が改善され, 偏頭痛の解消と血圧の低下および不定愁訴の改善がみられた. 本症例のように多くの合併症を伴う咀嚼障害患者に対しても適切な管理下でインプラントを用いた補綴を行うことの有効性が示唆された. |
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ISSN: | 0389-5386 |