7. 臼歯部欠損歯列に咬合再構成を行った症例

「I. 緒言」補綴装置が患者の口腔内で長期間機能するためには, いくつかのポイントを満たさなければならない. そのポイントの1つには咬合関係, 顎口腔系とのバランス, 歯周組織との調和等が挙げられる. 鶴見歯科医院では特に歯周治療と咬合の回復に重点をおき, 診療を行っている. 平成13年度日本補綴歯科学会西関東支部学術大会では『患者適正顎位でインプラントを用い全顎補綴を行った症例』を報告した. 今回, 咀嚼障害, 審美障害を訴え来院した患者に対し機能異常と咬合平面のみだれが認められたため, 全顎的な保存・補綴処置を行ったので報告する. 「II. 症例の概要」患者は58歳女性, 左側下顎臼歯部の...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2003, Vol.47 (2), p.443-443
Hauptverfasser: 矢島勲, 中島厚, 三井田勝也, 三井田慶介, 保坂晃, 木村修, 三浦浩輝, 山本克之, 小柳光蔵, 鶴見輝彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」補綴装置が患者の口腔内で長期間機能するためには, いくつかのポイントを満たさなければならない. そのポイントの1つには咬合関係, 顎口腔系とのバランス, 歯周組織との調和等が挙げられる. 鶴見歯科医院では特に歯周治療と咬合の回復に重点をおき, 診療を行っている. 平成13年度日本補綴歯科学会西関東支部学術大会では『患者適正顎位でインプラントを用い全顎補綴を行った症例』を報告した. 今回, 咀嚼障害, 審美障害を訴え来院した患者に対し機能異常と咬合平面のみだれが認められたため, 全顎的な保存・補綴処置を行ったので報告する. 「II. 症例の概要」患者は58歳女性, 左側下顎臼歯部の咬合痛ならびに右側上顎臼歯部義歯不使用による咀嚼障害及び, 上顎前歯部審美障害を主訴として来院した. 1現症 (1)左側下顎Bridge部の咬合痛及び動揺 (2)右側上顎欠損部P.D不使用(7」コーピング) (3)5+5側方運動時の動揺 (4)1」唇側転位をともなう審美障害 2改善点 (1)プロビジョナルレストレーションによる患者適正顎位(水平的, 垂直的顎位)の模索 (2)左側下顎臼歯部に対しインプラントによるオクルーザルストップの確立 (3)右側上顎第2大臼歯をBr支台として活用 (4)審美改善 「III. 結果と考察」補綴装置装着後1年以上の予後を経過観察しているが, 患者の満足度は機能的にも審美的にも十分に得られている. 我々が考察するところによると, 上顎前歯部には陶材焼付冠で補綴処置をし, 審美的な回復を行い, また臼歯部には過度な咬耗を起こしにくいハイブリット型レジンを選択したためではないかと考えられる. 今後の経過を見守っていきたい.
ISSN:0389-5386