6. 下顎頭運動と咬合力バランスの関係

「I. 目的」左右側の顎関節と咀嚼筋群に規制された回転, 滑走運動から構成される下顎運動時の左右側下顎頭の動態差や顆頭相互の協調性を知ることは, 治療を行う上で重要な資料になりうると考えられる. 一方, 咬合力は左右側咀嚼筋群の協調作用により発現されていることから, その左右的バランスも顎口腔系の有用な診断指標であると考えられる. 著者らは, こうした両者間での相互関係が顎口腔系の診査, 診断および治療方針の立案のための有用な資料になるのではないかと考え, 下顎運動時における左右側下顎頭の動態ならびに相互協調性, そして咬合力バランスを観察し, 各々の特徴ならび両者の相互関係について検討した....

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2003, Vol.47 (1), p.191-191
Hauptverfasser: 山村善治, 村田辰夫, 横矢隆二, 本康盛昭, 山仲徹, 宇野光乗, 横山佳郎, 石神元, 倉知正和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」左右側の顎関節と咀嚼筋群に規制された回転, 滑走運動から構成される下顎運動時の左右側下顎頭の動態差や顆頭相互の協調性を知ることは, 治療を行う上で重要な資料になりうると考えられる. 一方, 咬合力は左右側咀嚼筋群の協調作用により発現されていることから, その左右的バランスも顎口腔系の有用な診断指標であると考えられる. 著者らは, こうした両者間での相互関係が顎口腔系の診査, 診断および治療方針の立案のための有用な資料になるのではないかと考え, 下顎運動時における左右側下顎頭の動態ならびに相互協調性, そして咬合力バランスを観察し, 各々の特徴ならび両者の相互関係について検討した. 「II. 方法」被験者は個性正常咬合を有する男性9名(25~27歳)を採択した. Cadiax, ver. 3.0(Gamma社)を用い, 習慣性開閉口運動時における左右側下顎頭の最大滑走量, 最大回転量, 回転-滑走バランスを, Dental Prescale 50H, type R, およびOccluzer FPD-703(富士写真フィルム株式会社)を用い, 最大咬合時の咬合力重心を測定した. 「III. 結果と考察」被験者ごとでの下顎運動時における左右側下顎頭の動態ならびに相互協調性, そして咬合力重心には個体差があり, 閉口運動時の下顎頭の滑走のタイミングの左右側差と咬合力の重心の左右的要素との間では相関関係(α=0.56)が認められた.
ISSN:0389-5386