21. バイトプレーンの接触状態の違いが自律神経活動に及ぼす影響

「I. 目的」顎関節症の発症には複数の要因が複雑に関与しているといわれている. 中でも, 筋肉への負担や筋緊張, それに伴い誘発されるストレスが, 自律神経活動に影響を及ぼしている可能性が指摘されている. 本研究では, 全歯均等接触を与えたスタビリゼーション型バイトプレーンと前歯部のみ接触を与えた装置を用いて, バイトプレーンの接触状態の違いによる自律神経活動への影響を検討した. 「II. 方法」被験者には顎口腔機能に自覚的他覚的に異常を認めない大阪大学歯学部職員10名を選択した. 心拍計測装置には非観血的連続自動血圧計フィナプレス2300(Ohmeda社)を用いた. 安静座位にて咬頭嵌合位保...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2003, Vol.47 (1), p.179-179
Hauptverfasser: 荒木佐恵子, 角田佳子, 東和生, 中村隆志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」顎関節症の発症には複数の要因が複雑に関与しているといわれている. 中でも, 筋肉への負担や筋緊張, それに伴い誘発されるストレスが, 自律神経活動に影響を及ぼしている可能性が指摘されている. 本研究では, 全歯均等接触を与えたスタビリゼーション型バイトプレーンと前歯部のみ接触を与えた装置を用いて, バイトプレーンの接触状態の違いによる自律神経活動への影響を検討した. 「II. 方法」被験者には顎口腔機能に自覚的他覚的に異常を認めない大阪大学歯学部職員10名を選択した. 心拍計測装置には非観血的連続自動血圧計フィナプレス2300(Ohmeda社)を用いた. 安静座位にて咬頭嵌合位保持, スタビリゼーション型バイトプレーン装着, 前歯部接触型装置装着の状態で心拍を計測した. 自律神経活動の評価の分析には, 心拍変動スペクトル解析を用いた. 「III. 結果と考察」交感神経活動の指標(LF/HF)と副交感神経活動の指標(HF)について分析を行った結果, 交換神経活動においてはスタビリゼーション型バイトプレーン, 前歯部接触型装置ともに装着による一定の変化は認められなかった. 副交感神経活動においては, スタビリゼーション型バイトプレーン装着により増加が認められ, 前歯部接触型装置装着により減少が認められた. すなわち, スタビリゼーション型バイトプレーン装着による自律神経活動の変化への影響には, 歯牙接触状態に関連性があるということが示唆された.
ISSN:0389-5386