8. Platelet Rich Plasma(PRP)を用いたGBRの臨床応用

近年の歯科臨床において, 骨の再生を目的にしたGBRはインプラント治療には必要不可欠な術式であり, インプラント応用の適応拡大に対して大きな恩恵をもたらしてきた. PRPは凝縮された血小板を含む血漿のため創傷治癒に関連する成長因子が多数存在することで骨再生能力の向上に有用とされ, GBRと併用することによる効果が期待される. また自己血より採取されるため抗原性について問題はなく, 最近では我が国でも臨床応用の報告が散見されつつある. 今回我々は外傷により上顎前歯と固有歯槽骨の一部を喪失したケースに, インプラント埋入と同時に自家骨移植とPRPを用いたGBRを行いその概要を報告した. 骨再生量に...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2002, Vol.46 (5), p.792-792
Hauptverfasser: 倉嶋敏明, 佐藤正治, 谷口伸剛, 黒岩茂, 榎本紘昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年の歯科臨床において, 骨の再生を目的にしたGBRはインプラント治療には必要不可欠な術式であり, インプラント応用の適応拡大に対して大きな恩恵をもたらしてきた. PRPは凝縮された血小板を含む血漿のため創傷治癒に関連する成長因子が多数存在することで骨再生能力の向上に有用とされ, GBRと併用することによる効果が期待される. また自己血より採取されるため抗原性について問題はなく, 最近では我が国でも臨床応用の報告が散見されつつある. 今回我々は外傷により上顎前歯と固有歯槽骨の一部を喪失したケースに, インプラント埋入と同時に自家骨移植とPRPを用いたGBRを行いその概要を報告した. 骨再生量については明らかな効果は評価できなかった. 獲得された骨は臨床的には短期間で比較的強固な感じを受けたが, 今後組織学的検索が必要と思われる. 創傷が安定するまでの期間はPRPを用いない例に比較し, 短期間で安定する感がある. 今後, 効果的なPRPの使用方法を検討する必要性がある.
ISSN:0389-5386