1. 下顎骨内斜線の著明な吸収による総義歯難症例
「I. 症例の概要」患者:50歳, 女性 初診:平成10年3月5日 主訴:咀嚼および審美障害 現症:下顎骨内斜線の著明な吸収と著しい低位咬合のため, 義歯の安定が得られず, 審美的にも問題があった. 「II. 診断と治療方針」低位咬合および片側性均衡咬合に問題があると診断されたため, 次の治療計画を立てた. 1)垂直的加圧による安定部位の確認と, その部位による片側性均衡咬合の確保. そのために筋圧を有効に活用する. 2)咬合高径の挙上による審美性の回復および改善. 「III. 治療内容」1)については, 旧義歯咬合面にレジンを盛っていき, 切端部で約12mm挙上することになった. 2)につい...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2002, Vol.46 (3), p.441-441 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 症例の概要」患者:50歳, 女性 初診:平成10年3月5日 主訴:咀嚼および審美障害 現症:下顎骨内斜線の著明な吸収と著しい低位咬合のため, 義歯の安定が得られず, 審美的にも問題があった. 「II. 診断と治療方針」低位咬合および片側性均衡咬合に問題があると診断されたため, 次の治療計画を立てた. 1)垂直的加圧による安定部位の確認と, その部位による片側性均衡咬合の確保. そのために筋圧を有効に活用する. 2)咬合高径の挙上による審美性の回復および改善. 「III. 治療内容」1)については, 旧義歯咬合面にレジンを盛っていき, 切端部で約12mm挙上することになった. 2)については, 咬合平面から手指で垂直下方へ押して最も安定する部位を確認するとともに, 咬合, 咀嚼した際の均衡を図りながら人工歯排列を行うとともに, フランジテクニックによって筋圧形成を行った. 「IV. 経過観察と考察」左側顎堤粘膜には擦過傷がわずかに認められたが, 機能的に支障はなく, 右側で十分, 咀嚼可能であるとのことだった. また, 義歯装着, 3年9ヶ月の現在, 左側遠心頬側隅角部領域にわずかに棚状をした硬質の組織ができ, 柔らかいものなら咀嚼可能である. カーロールの維持装置にも見られるように, 筋圧は義歯の維持の重要な要素とされているが, 維持のみでなく片側性均衡咬合確保にたいしてもその重要性が考えられた. |
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ISSN: | 0389-5386 |