8. 背筋力発揮時における顆頭位変化および咀嚼筋筋活動様相について
「I, 目的」演者らは, 背筋力発揮時の顆頭位変化について, 顆頭が後方へ変位する傾向の見られることをすでに報告した. 今回は, 背筋力を発揮した場合の咀嚼筋筋活動様相についても検討を試み, 顆頭位変化との関係に興味ある知見を得たので報告する. 「II, 材料および方法」被験者は顎口腔系および体幹四肢に機能異常を認めない成人男性6名(平均22.5歳)とした. 背筋力は汎用背筋力計を用い最大発揮させた. 顆頭点変位の測定には顎運動測定器Condylocomp LR3(DENTRON, Germany)を用いた. 咬頭嵌合位での顆頭位を原点とし, 3回測定された三次元顎運動記録より顆頭点の平均変位...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2002, Vol.46 (3), p.425-425 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I, 目的」演者らは, 背筋力発揮時の顆頭位変化について, 顆頭が後方へ変位する傾向の見られることをすでに報告した. 今回は, 背筋力を発揮した場合の咀嚼筋筋活動様相についても検討を試み, 顆頭位変化との関係に興味ある知見を得たので報告する. 「II, 材料および方法」被験者は顎口腔系および体幹四肢に機能異常を認めない成人男性6名(平均22.5歳)とした. 背筋力は汎用背筋力計を用い最大発揮させた. 顆頭点変位の測定には顎運動測定器Condylocomp LR3(DENTRON, Germany)を用いた. 咬頭嵌合位での顆頭位を原点とし, 3回測定された三次元顎運動記録より顆頭点の平均変位量を求めた. 一方, 筋電図計測において, 被験筋は, 咬筋, 側頭筋前部, 顎二腹筋, 胸骨舌骨筋とし, 導出された筋電位はBIOPACK社製データ収録解析装置にて解析した. なお, 被心筋の可及的最大等尺性運動を行わせ, それをコントロールとした. 各筋活動量はコントロールにおける実効値(RMS値)を100%として評価した. 「III, 結果及び考察」背筋力発揮時の顆頭は, これまでの我々の報告と同様に原点より後方へ変位する傾向を示した. 一方, 咀嚼筋の筋活動量は, 側頭筋, 咬筋では最大噛みしめ時の1/2~1/4の値にとどまったのに対し, 顎二腹筋と胸骨舌骨筋では最大開口努力時と同等もしくはそれ以上の値を示した. 以上のことより, 背筋力発揮時には咬頭嵌合位での強い噛みしめは生じておらず, ヒトは自然な顎位として, 咬頭嵌合位からわずかに後方位とりうることが示唆された. |
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ISSN: | 0389-5386 |