11. 長期に経過したポーセレンラミネートベニアの臨床的考察

「I. 目的」1980年代に入って登場したポーセレンラミネートベニア法は, 種々の改良を経て現在では僅かな歯質削除によって審美的な修復ができる治療法として, 患者のQOLの向上にも大いに貢献していると考えられる. しかし, 処置後のトラブルによる再処置も経験する. 一方, 医療の概念が患者・問題中心主義POSに移行しつつある現状において, 客観的事実に基づいたデータ, すなわちEBMが必要であると考えられるようになってきた. そこで今回, ポーセレンラミネートベニア処置の10年間の縦断的な臨床評価を行った. 「II. 方法」観察対象は, 歯の変色, 歯冠形態の修正などの審美的改善を主訴として来...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2002, Vol.46 (1), p.146-146
Hauptverfasser: 神原新, 保地富夫, 倉知正和, 山仲徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」1980年代に入って登場したポーセレンラミネートベニア法は, 種々の改良を経て現在では僅かな歯質削除によって審美的な修復ができる治療法として, 患者のQOLの向上にも大いに貢献していると考えられる. しかし, 処置後のトラブルによる再処置も経験する. 一方, 医療の概念が患者・問題中心主義POSに移行しつつある現状において, 客観的事実に基づいたデータ, すなわちEBMが必要であると考えられるようになってきた. そこで今回, ポーセレンラミネートベニア処置の10年間の縦断的な臨床評価を行った. 「II. 方法」観察対象は, 歯の変色, 歯冠形態の修正などの審美的改善を主訴として来院した患者のうち, ポーセレンラミネートベニア処置を行った10年経過症例(患者:120人, 対象:571本)とした, 定期的なリコール時などに肉眼による観察によって, ポーセレンラミネートベニアの破損, 破折, 剥離などのトラブル内容およびその原因を推察, 記録した. 「III. 結果と考察」10年間良好な経過をたどったのは, 532本(93.2%)であったが, 何らかのトラブルで再処置を余儀なくされたのは39本(6.8%)であった. トラブルの発生部位は犬歯と中切歯に, そして再処置率は上顎に比較して下顎に多い傾向を示し, 特に中切歯については下顎が有意(P
ISSN:0389-5386