2. 機能的咬合を精密に再現する2回鋳造法の術式改良
「I. 目的」TMD患者あるいは咬合接触に敏感な患者に対して鋳造歯冠修復を行う際, テンポラリークラウンの咬合関係や形態を高い精度で最終補綴物に反映する歯冠修復法の確立が望まれる. このような症例に対してわれわれは, 無意識下において生じるグラインディング時等の滑走経路が咬合面に再現され得る2回鋳造による補綴物を作製することによって対処している1). しかしながら, 症例数の増加に伴い, 従来報告してきた術式においては, 技工操作上困難な点が生じてきたため, その点について改良することならびにその作製方法について紹介することを目的とする. 「II. 方法」2回鋳造法とは, 通法にしたがって基冠...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 2001, Vol.45 (6), p.798-798 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」TMD患者あるいは咬合接触に敏感な患者に対して鋳造歯冠修復を行う際, テンポラリークラウンの咬合関係や形態を高い精度で最終補綴物に反映する歯冠修復法の確立が望まれる. このような症例に対してわれわれは, 無意識下において生じるグラインディング時等の滑走経路が咬合面に再現され得る2回鋳造による補綴物を作製することによって対処している1). しかしながら, 症例数の増加に伴い, 従来報告してきた術式においては, 技工操作上困難な点が生じてきたため, その点について改良することならびにその作製方法について紹介することを目的とする. 「II. 方法」2回鋳造法とは, 通法にしたがって基冠部となる鋳造物を作製し, 口腔内において支台歯との適合および隣接面コンタクトの調整後, 口腔内で常温重合レジンを築盛し, 硬化前に機能運動を行わせて, 咬合面の形成を行い, 約1週間の仮着後, 2回目の鋳造を行って最終的に合着するものである. 症例数の増加に伴い生じた問題点は, クリアランスの確保が困難な症例に対する対処と1回目と2回目の鋳造物の接合への対処である. これらの問題点に対して2つの鋳造物の維持として用いていたリテンションビーズを直径0.7mmのレディキャスティングワックスに変更した. 「III. 結果と考察」従来の術式では困難であったクリアランスが1.5mm以上確保できない症例に対しても本術式を用いることが可能となり, 現在まで, 完成した最終補綴物の装着時に咬合調整を必要とした症例ならびに予後不良症例はなく, 非常に良好な結果を得ている. 「IV. 文献」1)皆木省吾, 赤松由崇, 佐藤隆志:暫間補綴物の咬合を精密に再現する二回鋳造法. 補綴臨床, 32:218-219, 1999. |
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ISSN: | 0389-5386 |