5. 義歯使用感について(第2報)
「I. 緒言」大型の可撤性義歯, 特に総義歯の場合, 義歯が口腔内でよく機能するかどうかは顎堤や粘膜の条件に左右されることが多い. しかし臨床では顎堤や粘膜の条件が悪くても, また不適合な義歯でも不都合を訴えずに義歯を使用している症例もある. 一方では顎堤や粘膜の条件が良く, 義歯の構造も臨床的に十分満足できるものでも, 多くの不都合を訴える症例もある. そこでわれわれは, 義歯装着者が義歯に対する評価を決める要素として, 義歯の構成要素以外のものの検索を考えアンケート調査を行い先の日本補綴歯科学会東関東支部学会において第一報を報告した. 今回は質問項目の修正と症例数を増して調査し報告する....
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 1998, Vol.42 (6), p.1115-1115 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「I. 緒言」大型の可撤性義歯, 特に総義歯の場合, 義歯が口腔内でよく機能するかどうかは顎堤や粘膜の条件に左右されることが多い. しかし臨床では顎堤や粘膜の条件が悪くても, また不適合な義歯でも不都合を訴えずに義歯を使用している症例もある. 一方では顎堤や粘膜の条件が良く, 義歯の構造も臨床的に十分満足できるものでも, 多くの不都合を訴える症例もある. そこでわれわれは, 義歯装着者が義歯に対する評価を決める要素として, 義歯の構成要素以外のものの検索を考えアンケート調査を行い先の日本補綴歯科学会東関東支部学会において第一報を報告した. 今回は質問項目の修正と症例数を増して調査し報告する. 「II. 実験方法」調査対象は演者らの3施設を可撤性義歯の調整のために受診した外来通院および入院患者である. アンケートでは一般診査として健康状態と日常の生活の状態について, 義歯に関しては口腔内の義歯に対する感じ方などについて調査した. 「III. 結果および考察」義歯の使用感と健康状態および日常の生活の状態との関係では義歯に満足しているものは健康で, 毎日の生活が楽しいと回答する傾向があった. 咬合時の義歯の動きに関しては, 義歯に満足していなくても動きを感じないという回答と義歯に満足していても動きを感じるという回答があった. また, 義歯に満足していても義歯をはずすと楽になると答えている. 義歯の満足, 不満足に関わらず, 義歯の口腔内での存在を気に掛けていないという回答が多く, 義歯使用時に舌や口唇などの使い方に「気を付けない」という回答が多かった. 義歯の使用方法に関しては, 義歯に満足している症例では義歯の使用法を習慣的に体得しできるようである. 今回の調査の一部で使用感と精神健康調査票による調査を行ったところ, 義歯の満足度に身体面あるいは性格面の状態が強く反映している場合があることから, 今後項目を改良して調査する予定である. |
---|---|
ISSN: | 0389-5386 |