12. 圧縮成形時の温度変化がポリカーボネート樹脂の適合性に及ぼす影響について
「I. 目的」フラスコ下輪の加熱温度を変化させることによって, 圧縮成形法によるポリカーボネート樹脂の成形性と適合性がどのように変化するのか検討を行ったので報告する. 「II. 実験と方法」今回の実験では, 実験用模型としてニッシン社製無歯顎模型402Uを用メーカー支持に従い専用模型剤で作業用模型を作成した. この模型に咬合堤を作成して試料とした. 上輪は140℃で3時間乾燥し, 下輪は130℃90分乾燥後, 200℃, 220℃, 240℃, 260℃, 285℃, および285℃より240℃に徐冷した計6種の温度条件下で成形した試料を計測に共した. 測定点は, 左右第一大臼歯近心小窩部を結...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 1998, Vol.42 (6), p.1104-1104 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」フラスコ下輪の加熱温度を変化させることによって, 圧縮成形法によるポリカーボネート樹脂の成形性と適合性がどのように変化するのか検討を行ったので報告する. 「II. 実験と方法」今回の実験では, 実験用模型としてニッシン社製無歯顎模型402Uを用メーカー支持に従い専用模型剤で作業用模型を作成した. この模型に咬合堤を作成して試料とした. 上輪は140℃で3時間乾燥し, 下輪は130℃90分乾燥後, 200℃, 220℃, 240℃, 260℃, 285℃, および285℃より240℃に徐冷した計6種の温度条件下で成形した試料を計測に共した. 測定点は, 左右第一大臼歯近心小窩部を結ぶ前頭断平面上の左右床縁部, 左右歯槽頂部, および口蓋正中部とした. 「III. 結果」温度を変化させても口蓋正中部においては浮き上がり量が一番少なく, また左右床縁部では一番大きな浮き上がり量を示す傾向であった. 温度変化による成形性と適合性の観察では200℃では成形不良と浮き上がり量がどの計測点でも大きく220℃より温度が上昇するとともに良好となり, 285℃より240℃に徐冷のケースでは全測定点で浮き上がり量が少なく安定した値を示した. これらの実験結果よりポリカーボネート樹脂の成形は加熱された模型温度によって適合精度に影響が現れ, 複雑な曲面と厚さをもつ義歯を成形する場合, 模型材の膨脹量, 樹脂材料の収縮量, 応力緩和による変形を考慮する必要がある. |
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ISSN: | 0389-5386 |