重症心身障害者の口腔内状況と補綴治療

「I. はじめに」重症心身障害者の歯科治療においては, 健常者の治療の場合と異なり考慮すべき点が多い1). 患者に知的障害があって歯科医師と患者との間にコミュニケーションが十分にとれない場合には治療行為を容易に受け入れてもらえない. また, 脳性麻痺などで運動機能障害がある場合には口腔の機能も著しく低下し, 誤飲, 誤嚥の危険性がある. 著者らは1992年8月に重症心身障害者のために開所した東京都立東大和療育センターの入所患者について歯科診療を行い, 補綴治療の実態を知ることができたので, 口腔内状況および全身的状況とあわせて報告する. 「II. 調査方法」対象患者は東京都立東大和療育センター...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 1998/12/10, Vol.42(6), pp.950-954
Hauptverfasser: 吉田, 隆義, 中村, 全宏, 北川, 尚, 真柳, 昭紘, 長谷川, 成男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」重症心身障害者の歯科治療においては, 健常者の治療の場合と異なり考慮すべき点が多い1). 患者に知的障害があって歯科医師と患者との間にコミュニケーションが十分にとれない場合には治療行為を容易に受け入れてもらえない. また, 脳性麻痺などで運動機能障害がある場合には口腔の機能も著しく低下し, 誤飲, 誤嚥の危険性がある. 著者らは1992年8月に重症心身障害者のために開所した東京都立東大和療育センターの入所患者について歯科診療を行い, 補綴治療の実態を知ることができたので, 口腔内状況および全身的状況とあわせて報告する. 「II. 調査方法」対象患者は東京都立東大和療育センターに措置入所中の90名である. 調査は厚生省歯科疾患実態調査の方法に準拠して行い, 歯を中心とする口腔内状況を記載した. また, 歯群別の咬合状態, 不正咬合の状態ブラキシズムの有無, 食事の種類と方法, そして装着した補綴物の種類およびその使用状況について調査した.
ISSN:0389-5386
1883-177X
DOI:10.2186/jjps.42.950