クラスプ義歯における支台歯と顎堤の荷重分散に関する実験的研究: コーヌステレスコープ義歯との比較
「I.緒言」部分床義歯による補綴治療の対象は, 1歯欠損から1歯残存までバリエーションが広く, 顎堤や咬合などの条件が加わると治療に際して考慮しなければならない要件の数は無数に存在する. また, 被圧変位性が異なる支台歯と顎堤粘膜部の両方で支持を求めるため, 良好な予後を得るには残存組織への機能力の分散には十分に配慮する必要がある. 種々の実験的研究や予後調査において, リジッドサポートを図った義歯の良好な結果が数多く報告されている1~5). 日常臨床ではクラスプ義歯の使用頻度が高いが, クラスプは支台歯との連結強度が十分ではなくリジッドサポートの達成は難しいと考えられている6~11). つま...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 1998/08/10, Vol.42(4), pp.597-604 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I.緒言」部分床義歯による補綴治療の対象は, 1歯欠損から1歯残存までバリエーションが広く, 顎堤や咬合などの条件が加わると治療に際して考慮しなければならない要件の数は無数に存在する. また, 被圧変位性が異なる支台歯と顎堤粘膜部の両方で支持を求めるため, 良好な予後を得るには残存組織への機能力の分散には十分に配慮する必要がある. 種々の実験的研究や予後調査において, リジッドサポートを図った義歯の良好な結果が数多く報告されている1~5). 日常臨床ではクラスプ義歯の使用頻度が高いが, クラスプは支台歯との連結強度が十分ではなくリジッドサポートの達成は難しいと考えられている6~11). つまり, このクラスプ義歯の連結強度の低さが支台歯と顎堤粘膜との荷重分散の割合や義歯の動揺に大きな影響をもたらし, クラスプ義歯の予後に大きく関係しているものと考えられる. 三浦ら12)は, 支台歯との連結強度が高くリジッドサポートを達成する上で最適と考えられているコーヌステレスコープ2, 13~16)を支台装置とした場合の荷重分散状態や義歯床の変位動態などを計測し, コーヌステレスコープを支台装置とした片側遊離端義歯において, 直接支台装置を2歯に用い, かつ両側性設計を図ったものが最もリジッドサポート性が高いと報告した. |
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ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.42.597 |