臼歯部人工歯排列位置による上顎総義歯の動揺に関する研究
「I. 緒言」総義歯補綴において, 人工歯の排列位置は機能時の義歯の支持, 維持, 安定や装着感等に直接的に関与し, 総義歯の予後を左右する因子の1つとして重要である. 現在, 総義歯人工歯の排列位置に関して, いくつかの方法が行われているが, 主に義歯の力学的な安定を配慮した歯槽頂間線法則に従った排列法と, 筋圧平衡や審美性等の生理的条件を重要視した天然歯列の再現を目的とする排列法の2つに大別される1~4). 前者は力学的な安定, 特に片側性平衡咬合を達成する上で有利とされているが, 長期総義歯装着者では歯槽頂間線傾斜角度が80°以下となることも多く, 解剖学的歯槽頂を基準としているため,...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 1998/06/10, Vol.42(3), pp.415-423 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 緒言」総義歯補綴において, 人工歯の排列位置は機能時の義歯の支持, 維持, 安定や装着感等に直接的に関与し, 総義歯の予後を左右する因子の1つとして重要である. 現在, 総義歯人工歯の排列位置に関して, いくつかの方法が行われているが, 主に義歯の力学的な安定を配慮した歯槽頂間線法則に従った排列法と, 筋圧平衡や審美性等の生理的条件を重要視した天然歯列の再現を目的とする排列法の2つに大別される1~4). 前者は力学的な安定, 特に片側性平衡咬合を達成する上で有利とされているが, 長期総義歯装着者では歯槽頂間線傾斜角度が80°以下となることも多く, 解剖学的歯槽頂を基準としているため, 歯槽頂間線法則による排列法は舌房を侵害したり, 交叉咬合を適用しなければならない場合が少なくないなどの問題を生じている5~8). 一方, 後者では, これら舌房の侵害等の影響が避けられ, 発音, 違和感などの点で優れているものの, 機能時の力学的な安定が得られづらく, 義歯の動揺が生じやすいと考えられている. |
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ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.42.415 |