卵巣癌に対するS-1およびL-OHPの抗腫瘍効果の比較検討

「1. はじめに」進行・再発のがんに対し, 医療の現場では新薬の開発と臨床研究が常に行われ, 化学療法は常に進歩し続けている. そのような中でS-11)は非小細胞肺がん・胃がん・結腸がん・直腸がん・乳がん・子宮頸がん・膵がんに対して著しい成果を挙げており2), 他の薬剤との併用も数多く研究されている3-7)). S-1はフルオロウラシル(以下5-FU8))のプロドラッグであるテガフール(以下FT)に2つのモジュレーター, ギメラシル(以下CDHP)9)とオテラシルカリウム(以下Oxo)10)をモル比1:0.4:1の割合で配合した経口抗悪性腫瘍剤である1, 11-13). FTは主に肝ミクロゾー...

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Veröffentlicht in:東北大学医学部保健学科紀要 2010-07, Vol.19 (2), p.107-115
Hauptverfasser: 地元佑輔, 仲田栄子, 駒村一樹, 長澤陽介, 渡邊重明, 齋藤春夫, 森一生, 田村元, 町田好男, 石橋忠司, 千田浩一, 志田原美保, 小山内実, 小倉隆英, 細貝良行, 川住祐介, 土橋卓, 高井良尋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」進行・再発のがんに対し, 医療の現場では新薬の開発と臨床研究が常に行われ, 化学療法は常に進歩し続けている. そのような中でS-11)は非小細胞肺がん・胃がん・結腸がん・直腸がん・乳がん・子宮頸がん・膵がんに対して著しい成果を挙げており2), 他の薬剤との併用も数多く研究されている3-7)). S-1はフルオロウラシル(以下5-FU8))のプロドラッグであるテガフール(以下FT)に2つのモジュレーター, ギメラシル(以下CDHP)9)とオテラシルカリウム(以下Oxo)10)をモル比1:0.4:1の割合で配合した経口抗悪性腫瘍剤である1, 11-13). FTは主に肝ミクロゾームP450(CYP2A6)により徐々に5-FUに変換される. なお5-FUは効果発現及び副作用発現のメカニズムが解明されており, 広くがん治療に使われている抗悪性腫瘍剤である14). CDHPは主に肝に多く分布する5-FUの異化代謝酵素のジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼを選択的に阻害することによって, FTより派生する5-FU濃度を上昇させ, 抗腫瘍効果が増強させる働きをもつ12).
ISSN:1348-8899