クローン病患者のソーシャル・サポートの実態

「はじめに」クローン病は10歳代後半から20歳代にかけて好発し, 主な症状として腹痛, 下痢, 体重減少, 発熱, 肛門病変などがよく見られる1). この疾患は, 1976年に特定疾患治療研究対象疾患に選定され, 1997年現在, 15,440人の患者が特定疾患の医療受給者証を交付2)されている. 発症原因はいまだ不明で, 完治療法は存在しない. 一旦発症すると, 出現症状の程度により, 内科的治療, 外科的治療が施行される. 慢性疾患であるがゆえに再燃と寛解を繰り返しながら, 生涯にわたって治療を継続し, なおかつ, 患者自身が健康管理や治療行動を実践していくことが必要不可欠となる. 高添ら...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東北大学医療技術短期大学部紀要 2001, Vol.10 (2), p.101-106
1. Verfasser: 柏倉栄子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」クローン病は10歳代後半から20歳代にかけて好発し, 主な症状として腹痛, 下痢, 体重減少, 発熱, 肛門病変などがよく見られる1). この疾患は, 1976年に特定疾患治療研究対象疾患に選定され, 1997年現在, 15,440人の患者が特定疾患の医療受給者証を交付2)されている. 発症原因はいまだ不明で, 完治療法は存在しない. 一旦発症すると, 出現症状の程度により, 内科的治療, 外科的治療が施行される. 慢性疾患であるがゆえに再燃と寛解を繰り返しながら, 生涯にわたって治療を継続し, なおかつ, 患者自身が健康管理や治療行動を実践していくことが必要不可欠となる. 高添ら3)は, クローン病が若年者に好発するために, 人生未経験, 長期のライフステージに応じたCareの必要性, 家族の間に問題が生じやすい等を医療管理上の留意点としてあげている. 病気になるということは身体的, 精神的苦痛を伴う状況におかれることであり, 患者が病気と共存しながら日常生活を送ることができるように, 他者からの有形, 無形のサポートが必要であろう.
ISSN:0917-4435