看護学生の学内および臨地実習における看護技術経験の有無と自信の程度

「はじめに」日進月歩の高度先端医療が行われる臨床の現場で看護職者たちは, 質の高い看護の提供をめざし, 日々患者のケアを行っている. 質の高い看護を提供するためには, 看護についてのより専門的な知識や理論, 知識を基盤とした技術が必要不可欠である. 看護職者の育成をになうのが看護教育である. 看護学教育は単に知識や技能を学内の学習を通して修得することが最終目標ではない. 講義や演習を通して修得した知識や技術を実際のクライエントに提供するところまでを学生に求めるという特徴をもつ1). それゆえ, 看護教育は, 学内での講義・演習・実習と病院や関連施設における臨地実習を通して行われる. この授業形態のひとつである臨地実習は, 学生が学内で学んだ理論と実践を結びつけた看護が展開できるよう, 看護に必要な専門的知識・技術の統合の場として非常に重要視される. そしてまた, 看護教育は, 卒業後に看護職者として, その役割を果たせることを目的として行われているので2), 看護教育の評価は, 卒業生の看護職者としての看護実践活動によって問われることになる.