当大学病院における小児・障害者歯科外来の新規来院患者についての実態調査
近年,小児・障害者(児)の口腔環境は大きく変化している。また少子高齢傾向の顕在化や共働き世帯の増加,北海道大学病院小児・障害者歯科外来の診療室の移転や専門科の細分化など小児や当科を取り巻く環境も変化した。当科が今後さらに地域や医科と連携していくために,高次医療機関としての実状と今後の役割を把握する必要がある。そのため,過去6年間において北海道大学病院小児・障害者歯科外来を受診した新規来院患者の実態について調査を行い,以下の結論を得た。新規来院患者数は6年間で増加傾向を示した。初診時年齢は3歳が最も多く,主訴は齲蝕が最も多かった。また紹介患者の割合も6年間で増加傾向にあり,紹介率の平均は68.1...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2020/11/25, Vol.58(3), pp.149-156 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年,小児・障害者(児)の口腔環境は大きく変化している。また少子高齢傾向の顕在化や共働き世帯の増加,北海道大学病院小児・障害者歯科外来の診療室の移転や専門科の細分化など小児や当科を取り巻く環境も変化した。当科が今後さらに地域や医科と連携していくために,高次医療機関としての実状と今後の役割を把握する必要がある。そのため,過去6年間において北海道大学病院小児・障害者歯科外来を受診した新規来院患者の実態について調査を行い,以下の結論を得た。新規来院患者数は6年間で増加傾向を示した。初診時年齢は3歳が最も多く,主訴は齲蝕が最も多かった。また紹介患者の割合も6年間で増加傾向にあり,紹介率の平均は68.1%であった。患者の居住地は札幌市内が最も多かったが,遠隔地からの来院も認められた。全身疾患を有する患者は全体の36.2%を占めていた。治療実施方法は,通法治療(行動調整法含む)の割合が62.4%を占めていた。治療終了後も約半数の患者が当科で引き続き管理を行っていた。紹介患者の割合が高いこと,全身疾患を有している患者の多さや遠隔地からの来院患者の存在等から,当科が高次医療機関として広く認知され,その役割を担っていることが示された。しかし遠隔地からの来院患者が約3割を占めており,北海道特有の広域医療において医療の量や質の札幌圏の一極集中は解消されておらず,今後さらに地域医療機関との連携の強化を図る必要があると示唆された。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd.58.3_149 |