小児の摂食機能に関する研究―保育園児と自閉症スペクトラム障害児の比較

食事の問題は定型発達している小児,自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder,以下,ASD)児とも保護者にとって重大な関心事である。ASD児の食事の問題は定型発達している小児とは異なる特徴があると推察されるが,両者を比較した研究は少ない。そこで,幼児の食事に関してASD児と保育園児(以下,園児)を比較検討することで,ASDの食事支援の一助を得ることを目的に本研究を行った。対象は園児42名とASD児58名である。対象児の保護者に対して,口腔機能・食事に関するアンケートと対象児の給食場面評価を行った。アンケート結果では,園児の保護者は意欲に関する項目を多く選択していた...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2020/11/25, Vol.58(3), pp.116-122
Hauptverfasser: 髙橋, 摩理, 髙橋, 真朗, 石﨑, 晶子, 内海, 明美, 弘中, 祥司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:食事の問題は定型発達している小児,自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder,以下,ASD)児とも保護者にとって重大な関心事である。ASD児の食事の問題は定型発達している小児とは異なる特徴があると推察されるが,両者を比較した研究は少ない。そこで,幼児の食事に関してASD児と保育園児(以下,園児)を比較検討することで,ASDの食事支援の一助を得ることを目的に本研究を行った。対象は園児42名とASD児58名である。対象児の保護者に対して,口腔機能・食事に関するアンケートと対象児の給食場面評価を行った。アンケート結果では,園児の保護者は意欲に関する項目を多く選択していたが,ASD児の保護者は偏食の他,口腔機能に関する項目を多く選択していた。摂食嚥下機能では,園児で問題はほとんどみられず,食べ方や食具操作も年齢が上がるにつれ改善していた。一方ASD児においては,「捕食不可」「前歯咬断不可」が顕著であり感覚偏倚との関連が推察された。また,食具操作の未熟さが食べ方に影響を与えていることも考えられた。ASD児の食支援においては,疾病特性を理解した対応や療育環境の整備が重要であると思われた。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd.58.3_116