大学附属病院小児歯科における7年間におよぶ過剰歯の実態調査

大学附属病院小児歯科における過剰歯の傾向を把握し,高次医療機関としての過剰歯への対応を明確化することを目的に,2010年12月から7年間に当科を受診し過剰歯と診断された15歳未満の小児620名(787歯)について実態調査を行った。1.男女比は約3:1であった。2.過剰歯の好発部位は上顎切歯部であった。萌出方向は順生が50.1%,逆生が40.2%,水平が9.7%であった。萌出状態は埋伏が70.4%,萌出が29.6%であった。3.発見された経緯は「紹介元」が84.8%であった。4.診断時の平均年齢は7.1歳であった。5.画像検査法は,口内法と歯科用コーンビームCT(以下CBCT)の併用が54.0%...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2018/11/24, Vol.56(4), pp.441-449
Hauptverfasser: 芦澤, みなみ, 梅津, 糸由子, 林, 陽佳, 巻, 竜也, 新見, 嘉邦, 白瀬, 敏臣, 内川, 喜盛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:大学附属病院小児歯科における過剰歯の傾向を把握し,高次医療機関としての過剰歯への対応を明確化することを目的に,2010年12月から7年間に当科を受診し過剰歯と診断された15歳未満の小児620名(787歯)について実態調査を行った。1.男女比は約3:1であった。2.過剰歯の好発部位は上顎切歯部であった。萌出方向は順生が50.1%,逆生が40.2%,水平が9.7%であった。萌出状態は埋伏が70.4%,萌出が29.6%であった。3.発見された経緯は「紹介元」が84.8%であった。4.診断時の平均年齢は7.1歳であった。5.画像検査法は,口内法と歯科用コーンビームCT(以下CBCT)の併用が54.0%と最も多かった。6.抜歯時の平均年齢は7.6歳(500名,620歯)であった。7.抜歯時の歯科的対応および平均年齢は通常下が44.6%(7.8歳),全身麻酔下が44.0%(7.4歳)であった。8.抜歯後の経路は,紹介元が60.0%で,一般歯科医院が243名と最も多かった。以上から過剰歯は萌出方向や萌出状態などが様々であるため,専門機関である大学附属病院への紹介が多く,画像検査にて過剰歯と近接する永久歯の状態を把握した上で患児の身体的,精神的負担を考慮し,抜歯時期や歯科的対応を選択していた。また,抜歯後は過剰歯による永久歯への影響に対応するため,定期的な管理の必要性を周知することが重要と考えた。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd.56.4_441