Down症候群患児の脱落歯を再植した1例: 10年間の経過観察
小児歯科臨床において歯の外傷に遭遇する機会は多い。しかし,障害児における歯の外傷への対応および長期的な予後について言及した報告は少ない。今回,著者らはDown 症候群患児が遭遇した上顎右側中切歯の脱落歯に対し,再植を行った。患児はDown 症候群に特有な歯の先天欠如や短根などが見られた。 再植歯を固定するには不利な条件であったが,必要十分な固定となるように配慮し,ワイヤーと接着性レジンセメントを用いて3 週間固定を行った。再植より4 か月後,歯髄壊死が確認されたため,直ちにアペキシフィケーションを行った。再植より1 年5 か月後,硬組織による根尖閉鎖を確認した。ガッタパーチャポイントにより根管...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2017/11/25, Vol.55(4), pp.467-474 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 小児歯科臨床において歯の外傷に遭遇する機会は多い。しかし,障害児における歯の外傷への対応および長期的な予後について言及した報告は少ない。今回,著者らはDown 症候群患児が遭遇した上顎右側中切歯の脱落歯に対し,再植を行った。患児はDown 症候群に特有な歯の先天欠如や短根などが見られた。 再植歯を固定するには不利な条件であったが,必要十分な固定となるように配慮し,ワイヤーと接着性レジンセメントを用いて3 週間固定を行った。再植より4 か月後,歯髄壊死が確認されたため,直ちにアペキシフィケーションを行った。再植より1 年5 か月後,硬組織による根尖閉鎖を確認した。ガッタパーチャポイントにより根管充填を行い,以後3~4 か月間隔で経過観察を行った。再植より3 年後,打診音はsharp clear となり,生理的動揺が消失したため骨性癒着と判断した。再植後10 年間の経過観察において置換性吸収は認められない。今後さらに経過観察を継続する必要があると考える。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd.55.4_467 |