歯原性腫瘍により埋伏した下顎第一大臼歯を萌出誘導した2例

今回我々は,歯原性腫瘍によって引き起こされた下顎第一大臼歯萌出障害に対し,萌出誘導を行った 2 例を経験した。それぞれの症例について,萌出障害の原因,発見時期,治療法と治療期間について比較し考察を行った。症例1,2 ともにパノラマエックス線および歯科用コーンビームCT 所見において,埋伏した第一大臼歯歯冠周囲に境界明瞭な透過像が確認され,嚢胞または腫瘍性の病変が疑われた。臨床的所見と切除した組織の病理学的所見から第一大臼歯歯胚の発育異常による歯原性腫瘍と診断された。症例1 では,腫瘍の開窓および牽引処置を行い,牽引開始から約16 か月で萌出誘導を完了した。また,症例2 では,腫瘍の開窓およびオ...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2016/11/25, Vol.54(4), pp.518-527
Hauptverfasser: 逢坂, 洋輔, 田村, 翔悟, 岡, 暁子, 立岡, 迪子, 戸田, 雅子, 加藤, 陽子, 吉田, 一惠, 平山, 耕司, 馬場, 篤子, 尾崎, 正雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:今回我々は,歯原性腫瘍によって引き起こされた下顎第一大臼歯萌出障害に対し,萌出誘導を行った 2 例を経験した。それぞれの症例について,萌出障害の原因,発見時期,治療法と治療期間について比較し考察を行った。症例1,2 ともにパノラマエックス線および歯科用コーンビームCT 所見において,埋伏した第一大臼歯歯冠周囲に境界明瞭な透過像が確認され,嚢胞または腫瘍性の病変が疑われた。臨床的所見と切除した組織の病理学的所見から第一大臼歯歯胚の発育異常による歯原性腫瘍と診断された。症例1 では,腫瘍の開窓および牽引処置を行い,牽引開始から約16 か月で萌出誘導を完了した。また,症例2 では,腫瘍の開窓およびオブチュレータ―使用によって,約12 か月後に萌出誘導を完了した。現在,萌出した第一大臼歯周囲に腫瘍病変は疑われず,今後も慎重に経過を追う予定である。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd.54.4_518