上顎小臼歯部に両側性に過剰歯を認めた1例
過剰歯は,発生頻度が15%程度であり,その大半が上顎前歯部に生じ,上顎小臼歯部に生じることは比較的稀である。今回我々は,11 歳8 か月の男児の上顎小臼歯部に両側性に過剰歯を認めた1 例を経験した。患児は,上顎第一小臼歯の萌出が遅いことで,近隣の歯科医院を受診し,精査のために撮影したパノラマエックス線写真にて過剰歯を発見され,当科に紹介された。患児は特に自覚症状はなく,歯科用コンビームCT(CBCT)にて上顎両側小臼歯に近接して存在する過剰歯を認めた。今後の永久歯列への影響を考慮し,早期の過剰歯摘出が必要であると判断し抜去を行った。本症例では,上顎右側については,第一小臼歯と過剰歯の形態が類...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2016/11/25, Vol.54(4), pp.488-493 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 過剰歯は,発生頻度が15%程度であり,その大半が上顎前歯部に生じ,上顎小臼歯部に生じることは比較的稀である。今回我々は,11 歳8 か月の男児の上顎小臼歯部に両側性に過剰歯を認めた1 例を経験した。患児は,上顎第一小臼歯の萌出が遅いことで,近隣の歯科医院を受診し,精査のために撮影したパノラマエックス線写真にて過剰歯を発見され,当科に紹介された。患児は特に自覚症状はなく,歯科用コンビームCT(CBCT)にて上顎両側小臼歯に近接して存在する過剰歯を認めた。今後の永久歯列への影響を考慮し,早期の過剰歯摘出が必要であると判断し抜去を行った。本症例では,上顎右側については,第一小臼歯と過剰歯の形態が類似しており,大きさも同程度であったため,どちらを抜歯するかの判断が必要となったが,CBCT 像を基に,抜歯後の歯の配列の有利さ,歯根の彎曲状況などを考慮して抜去する歯を決定した。術後1 年経過して上顎右側第一小臼歯がやや頬側に転位して萌出してきたが,歯列は概ね良好で,今後の咬合状況について経過観察中である。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd.54.4_488 |