歯科大学医科歯科総合病院小児歯科外来 における初診患者の実態調査

近年,小児の齲蝕罹患率の低下と軽症化傾向が明らかとなってきている。歯科医院を受診する理由も齲蝕だけでなく予防,歯列不正や口腔外傷が増え,我々小児歯科医には多様なニーズへの対応が求められている。 今回,我々は2010~2013 年まで歯科大学総合病院小児歯科外来に来院した初診患者の実態調査を行い,更に以前行われた同調査と比較した。その結果,齲蝕・予防・歯列不正・外傷といった主訴の初診来院時年齢には,特徴があること,齲蝕を主訴で来院する場合は,地域診療所などからの紹介が多く,低年齢児・非協力児に対する処置依頼が殆どであることが明らかとなった。また,過去の調査との比較から,近年の初診来院時年齢には,...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2016/02/25, Vol.54(1), pp.22-30
Hauptverfasser: 宮原, 那実, 岡, 暁子, 阿部, 亜美, 逢坂, 洋輔, 立岡, 迪子, 柏村, 晴子, 馬場, 篤子, 尾崎, 正雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,小児の齲蝕罹患率の低下と軽症化傾向が明らかとなってきている。歯科医院を受診する理由も齲蝕だけでなく予防,歯列不正や口腔外傷が増え,我々小児歯科医には多様なニーズへの対応が求められている。 今回,我々は2010~2013 年まで歯科大学総合病院小児歯科外来に来院した初診患者の実態調査を行い,更に以前行われた同調査と比較した。その結果,齲蝕・予防・歯列不正・外傷といった主訴の初診来院時年齢には,特徴があること,齲蝕を主訴で来院する場合は,地域診療所などからの紹介が多く,低年齢児・非協力児に対する処置依頼が殆どであることが明らかとなった。また,過去の調査との比較から,近年の初診来院時年齢には,低年齢時と就学時の2 つのピークがあること,齲蝕を主訴とする者は減少傾向にあること,歯列不正や外傷といった主訴は増加傾向にあることが分かった。 小児歯科を専門とする大学診療科における主訴の実態調査は,その時代の小児の口腔疾患を表す一方で,低年齢児・非協力児の齲蝕処置や外科的処置といった小児歯科専門医療機関に対する地域歯科診療所からのニーズも表すという2 つの側面があることが分かった。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd.54.1_22