上顎側切歯部にみられた双生歯に対して咬合誘導を行った1例

我々は上顎左側側切歯部に双生歯を認め,それに伴う上顎前歯部の萌出余地不足を生じた症例の咬合誘導を行った。患児は9 歳3 か月の男児で,双生歯の精査および治療を目的に当科に紹介された。双生歯は上顎左側側切歯部で捻転して萌出しており,対合歯と早期接触を生じていた。歯科用コーンビームCT 検査により,双生歯の歯髄腔は歯冠部では各々独立していたが,歯根部では交通しており,根尖は未完成であった。上顎左側前歯部の萌出余地不足を解消するために,双生歯の歯冠の削合や分割を行わずに,歯列に対して双生歯を90 度回転させることにした。上顎にマルチブラケット装置とリンガルアーチを用いて双生歯を回転させ,その後双生歯...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2014/11/25, Vol.52(4), pp.565-571
Hauptverfasser: 翁長, 美弥, 守安, 克也, 朝田, 芳信
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は上顎左側側切歯部に双生歯を認め,それに伴う上顎前歯部の萌出余地不足を生じた症例の咬合誘導を行った。患児は9 歳3 か月の男児で,双生歯の精査および治療を目的に当科に紹介された。双生歯は上顎左側側切歯部で捻転して萌出しており,対合歯と早期接触を生じていた。歯科用コーンビームCT 検査により,双生歯の歯髄腔は歯冠部では各々独立していたが,歯根部では交通しており,根尖は未完成であった。上顎左側前歯部の萌出余地不足を解消するために,双生歯の歯冠の削合や分割を行わずに,歯列に対して双生歯を90 度回転させることにした。上顎にマルチブラケット装置とリンガルアーチを用いて双生歯を回転させ,その後双生歯の歯冠をコンポジットレジンで修復した。12 歳7 か月まで経過観察を続け,その間双生歯の不快事項はみられなかった。長期的な観察により双生歯は機能的にも審美的にも良好な経過を示していると考えられた。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd.52.4_565