日本歯科大学新潟病院障害児・者歯科センターにおける自閉症スペクトラム者(児)の実態調査

自閉症スペクトラム(以下,ASD)はコミュニケーション能力に障害を持ち,特異な行動を取ることから,歯科治療を行う上で様々な問題を起こす事がある。そのため我々歯科医療従事者は,ASD について正しい知識を持ち,患者個々の困り感に対応する必要がある。日本歯科大学新潟病院障害児・者歯科センターでは,平成18 年度よりASD の歯科治療に対応できる能力の強化に取り組んできた。そこで今回は当センターにおけるASD への取り組みを検証するために,過去10 年の患者動向を調査,分析,考察し,以下の結論を得た。1 .過去10 年間で最も多い障害病名はASD であり,平成18 年度以降ASD 患者数は増加してい...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2012/12/25, Vol.50(5), pp.375-382
Hauptverfasser: 島田, 路征, 三瓶, 素子, 三瓶, 伸也, 吉富, 美和, 城山, 博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:自閉症スペクトラム(以下,ASD)はコミュニケーション能力に障害を持ち,特異な行動を取ることから,歯科治療を行う上で様々な問題を起こす事がある。そのため我々歯科医療従事者は,ASD について正しい知識を持ち,患者個々の困り感に対応する必要がある。日本歯科大学新潟病院障害児・者歯科センターでは,平成18 年度よりASD の歯科治療に対応できる能力の強化に取り組んできた。そこで今回は当センターにおけるASD への取り組みを検証するために,過去10 年の患者動向を調査,分析,考察し,以下の結論を得た。1 .過去10 年間で最も多い障害病名はASD であり,平成18 年度以降ASD 患者数は増加していた。2 .平成18 年度以降,30~40 Km 圏内と当院とは離れた地域の患者数が増加した。3 .過去10 年間のASD 患者の来院動機で最も多かったのは,他院からの紹介であった。これは平成18 年度以降に他院紹介が増加したことによる。4 .過去10 年間で主訴は齲蝕治療が最も多く,この傾向は平成18 年度前後で変化がなかった。5 .過去10 年間ASD 患者に行った行動調整方法はトレーニングが最も多かった。行動調整法の比率は平成18 年度前後で変化はなかった。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd.50.5_375