P-10 上顎小臼歯部に生じた埋伏過剰歯の1例
目的:歯数の異常である過剰歯の好発部位は上顎前歯部であり, 小臼歯部の過剰歯は稀であるといわれている. 今回は過剰歯の中でも, 特に頻度が低いとされている上顎小臼歯部に埋伏過剰歯を認めたため, 文献的考察を加えて報告した. 症例:患児:11歳4か月の男児 受診日:2007年7月5日 主訴:定期健診 現病歴:口腔内の精査を希望し来院. 既往歴および家族歴:特記事項なし. 現症:1)全身所見:特記事項なし. 2)口腔内所見:Hellmanの歯齢IIIB期. 上顎左側第二乳臼歯口蓋側に骨様硬境界不明瞭な膨隆を認めた. 3)エックス線所見:上顎左側第二乳臼歯根尖部付近に歯根形成中の小臼歯様歯胚が2個認...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2011, Vol.49 (1), p.68-68 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:歯数の異常である過剰歯の好発部位は上顎前歯部であり, 小臼歯部の過剰歯は稀であるといわれている. 今回は過剰歯の中でも, 特に頻度が低いとされている上顎小臼歯部に埋伏過剰歯を認めたため, 文献的考察を加えて報告した. 症例:患児:11歳4か月の男児 受診日:2007年7月5日 主訴:定期健診 現病歴:口腔内の精査を希望し来院. 既往歴および家族歴:特記事項なし. 現症:1)全身所見:特記事項なし. 2)口腔内所見:Hellmanの歯齢IIIB期. 上顎左側第二乳臼歯口蓋側に骨様硬境界不明瞭な膨隆を認めた. 3)エックス線所見:上顎左側第二乳臼歯根尖部付近に歯根形成中の小臼歯様歯胚が2個認められた. 治療計画:佐藤の報告では, 過剰歯は正常歯よりも遅れて萌出し, 少数ながら埋伏しているとのことから, 右側第二乳臼歯の脱落時期に, 左側第二乳臼歯を抜去. その後定期的に経過観察を行い, 萌出遅延または埋伏を認めた歯を過剰歯と判断し抜去することとした. 処置および経過:2008年9月ll日, 上顎左側第二乳臼歯を抜去し, 約3か月後の定期健診時に第二小臼歯の萌出を確認した. その後, 埋伏歯を過剰歯と判断し, 2009年3月30日に抜去を行った. なお, 過剰歯は第二小臼歯と同様の形態をしていた. 考察:過剰歯はそのほとんどが上顎正中部に認められ, 小臼歯部では稀である. 下顎臼歯部の小臼歯様過剰歯は, 栃原10.5%, Stafne6.6%, 上顎では栃原5.26%, Stafne1.8%と今回報告した上顎の小臼歯様過剰歯は特に頻度が低いとされている. また野坂らは, 上顎臼歯部の小臼歯様過剰歯では男性の頻度が高く, 形態は萌出部位の歯の解剖学的形態に類似したものが多いとしており, 今回の症例と一致していた. 現在, 上顎左側犬歯と第二小臼歯に遠心捻転, 上顎左側第一小臼歯に近心捻転が認められるため, 今後も継続的に口腔管理を行う予定である. |
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ISSN: | 0583-1199 |