小児歯科専門医における平成22 年度診療報酬改定の評価: 混合歯列期歯周組織検査の導入と課題について

少子超高齢社会では,国や社会制度は高齢者主体になりがちである。しかし,歯科疾患では,小児期の健康状態がその後の成人期,高齢期に大きく影響を与える。従って小児における口腔保健と歯科医療は非常に重要である。今回,平成22 年度の保険点数改定結果および「混合歯列期歯周組織検査」に関するアンケート調査を実施した。対象は一般社団法人日本小児歯科学会の役員130 名で,回答のあった58 名(44.6%)について検討した結果,以下の結論を得た。1 .保険改定結果については,非常に良かった3.5%,まあまあ良かった39.6%,かなり悪くなった5.2%,やや悪くなった17.2%,変化がない34.5%であった。2...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2011/03/25, Vol.49(1), pp.20-28
Hauptverfasser: 一般社団法人日本小児歯科学会社会保険委員会, 品川, 光春, 田中, 光郎, 犬塚, 勝昭, 大原, 裕, 國本, 洋志, 鈴木, 広幸, 早崎, 治明, 福本, 敏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:少子超高齢社会では,国や社会制度は高齢者主体になりがちである。しかし,歯科疾患では,小児期の健康状態がその後の成人期,高齢期に大きく影響を与える。従って小児における口腔保健と歯科医療は非常に重要である。今回,平成22 年度の保険点数改定結果および「混合歯列期歯周組織検査」に関するアンケート調査を実施した。対象は一般社団法人日本小児歯科学会の役員130 名で,回答のあった58 名(44.6%)について検討した結果,以下の結論を得た。1 .保険改定結果については,非常に良かった3.5%,まあまあ良かった39.6%,かなり悪くなった5.2%,やや悪くなった17.2%,変化がない34.5%であった。2 .本年度と昨年度との総点数の比較では,4 月は1.7%上昇,5 月は0.6%減少,6 月も0.7%減少していた。3 .点数増加の原因として,初診料・再診料の増点を92.9%,6 歳未満の加算の復活を88.9%,自治体における乳幼児医療費助成の拡大を48.0%が回答していた。4 .点数減少の原因として,子どもの受診が減少を55.6%,齲蝕の減少を52%が回答していた。また,混合歯列期歯周組織検査の導入は,39.1%が点数減少の原因として認め,60.9%は認めていなかった。5 .歯周組織検査の実施割合は,P 混検は4 月30.7%,5 月35.7%,6 月35.2%であった。P 基検は,4 月31.4%,5 月29.1%,6 月29.8%であった。全く算定していないが,4 月37.9%,5 月35.2%,6 月35.0%と3 分の1 以上に認められた。6 .歯周組織検査に必要な時間は,P 混検が約7.3 分,P 基検が約7.2 分,P 精検が約13.3 分であった。7 .成人の歯周病予防にも乳歯および混合歯列期の歯周組織検査の普及が必要であり,乳歯列期および混合歯列期の検査方法および検査用紙を考案した。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd.49.1_20