P29 下顎側方偏位への対応 1)乳歯列例
下顎が上顎に対して側方に偏位し, 骨格的もしくは機能的に顔面非対称を呈している下顎側方偏位は, 単に顔貌の非対称にともなう審美的問題に加えて健全な顎顔面形態や機能の発育阻害要因となり咬合管理の面からも慎重な対応が必要と思われる. また, 成長段階においてもその対応方法やテクニックにも考慮がなされるべきである. とくに乳歯列期の対応においては, 患児に治療の意味を理解させることは困難でるため, 短期間, 低侵襲, 確実であることが要求される. 症例:3歳1か月 女児 3歳児歯科検診にて正中のずれを指摘され来院. 既往歴は1歳8か月時に網膜芽細胞腫にて左眼球摘出 治療経過:3歳5か月 矯正検査 3...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2010, Vol.48 (1), p.192-193 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 下顎が上顎に対して側方に偏位し, 骨格的もしくは機能的に顔面非対称を呈している下顎側方偏位は, 単に顔貌の非対称にともなう審美的問題に加えて健全な顎顔面形態や機能の発育阻害要因となり咬合管理の面からも慎重な対応が必要と思われる. また, 成長段階においてもその対応方法やテクニックにも考慮がなされるべきである. とくに乳歯列期の対応においては, 患児に治療の意味を理解させることは困難でるため, 短期間, 低侵襲, 確実であることが要求される. 症例:3歳1か月 女児 3歳児歯科検診にて正中のずれを指摘され来院. 既往歴は1歳8か月時に網膜芽細胞腫にて左眼球摘出 治療経過:3歳5か月 矯正検査 3歳6か月 ポーター拡大装置をセット 3歳8か月 交差咬合解消, 咀嚼指導開始 4歳1か月 ポーター拡大装置除去. 以降, 小児歯科的管理に移行. 4か月ごとのカリエスおよび咬合チェックをおこなう現在, 装置除去後から7年経過しているが咬合はほぼ安定している. 考察:小児歯科での咬合管理において装置の選択は重要である. 乳歯列期の側方偏位治療で重要なのは単純構造であること. (早く適応できる)固定式であること(管理が確実にできる)6か月前後の短期間であること(カリエスリスクを最小にとどめることができる)このような観点から乳歯列期の側方偏位症例, 特に協力が得難い小児に対してポーター拡大装置はベターな選択であると考えられる. |
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ISSN: | 0583-1199 |