P17混合歯列期での右側顎偏位患者に対して咬合高径および咬合平面をコントロールした一症例

著者らは, 混合歯列期に咬合高径および咬合平面に問題を有する患児に対し, 以前に報告した概念1)に基づき作製した乳臼歯咬合面に装着したオーバーレイの冠および垂直的コントロール可能な装置により積極的に咬合高径および咬合平面をコントロールし, 早期に不正咬合の解消を目的に, 成長発育の誘導を行っている. 今回, 混合歯列期での右側顎偏位患者に対して咬合高径および咬合平面をコントロールした症例について経過報告する. 患者は7歳11か月の女児である. 口腔内状態は歯牙年齢IIIA期であり, 下顎のみ第1大臼歯の萌出が認められた. 右側乳臼歯部は反対咬合であり, P-A X-ray所見よりも下顎が右側に...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2010, Vol.48 (1), p.176-176
Hauptverfasser: 山本誠二, 河口綾乃, 白数明義, 佐藤貞雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:著者らは, 混合歯列期に咬合高径および咬合平面に問題を有する患児に対し, 以前に報告した概念1)に基づき作製した乳臼歯咬合面に装着したオーバーレイの冠および垂直的コントロール可能な装置により積極的に咬合高径および咬合平面をコントロールし, 早期に不正咬合の解消を目的に, 成長発育の誘導を行っている. 今回, 混合歯列期での右側顎偏位患者に対して咬合高径および咬合平面をコントロールした症例について経過報告する. 患者は7歳11か月の女児である. 口腔内状態は歯牙年齢IIIA期であり, 下顎のみ第1大臼歯の萌出が認められた. 右側乳臼歯部は反対咬合であり, P-A X-ray所見よりも下顎が右側に偏位していた. 初診診断よりHigh Angle ClassII右側顎偏位とし, TRPを右側のみ4mm前方位にてLFH2.0°挙上で設定し, 上顎乳臼歯にMetal Shellの作成・装着し, 約2年8か月間下顎の適応反応など経過観察を行った. その後, 積極的な動的治療を目的にDAWおよびU-archにて上顎第一大臼歯および前歯の垂直的コントロールを行った. その結果, 下顎はやや右側に偏位は残っているが左右とも第1大臼歯部関係はAngle ClassIであるとともに右側側方臼歯部の反対咬合は改善され, また下顎は前方に適応している. 咬合誘導は, 単に歯の交換を管理するにとどまらず, 顎顔面骨格の調和を考慮した総合的な成長発育の管理体系でなければならない. そのために, 咬合誘導を有効に行うには咬合の発育と顎顔面骨格の関係を十分に理解する必要があるであろう. 今後, 歯科的管理を通じ成長発達期の咬合の変化を注意して見守っていく予定である. 参考文献:1)咬合高径および咬合平面のコントロールによる新しい咬合誘導法I.概念と処置法 佐藤貞雄他:小児歯誌42(2):315, 2004.
ISSN:0583-1199