P-11 齲蝕症第2度における炭酸ガスレーザーの有効性
目的:近年, 歯科用レーザーの応用による齲蝕診断, 齲蝕予防および治療方法が開発され, 小児歯科臨床も変化がみられている. 著者らは, Minimum Intervention(MI)の観点からレーザーの反射光から歯質変化を高精度に解読するレーザー診断器による診断と治療用レーザー(齲蝕歯質の蒸散)による齲蝕の進行抑制と歯質切削処置を極力避ける治療を実施している. 今回, 小児の臨床に向けたより実践的な応用を試みた手技について報告する. なお, 実施に際しては保護者と患児本人の了承を得た上で実施した. 方法:2004年7月~2008年6月までの定期健診にて受診した患児のうち, 視診型検診にてC2...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2010, Vol.48 (1), p.145-146 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:近年, 歯科用レーザーの応用による齲蝕診断, 齲蝕予防および治療方法が開発され, 小児歯科臨床も変化がみられている. 著者らは, Minimum Intervention(MI)の観点からレーザーの反射光から歯質変化を高精度に解読するレーザー診断器による診断と治療用レーザー(齲蝕歯質の蒸散)による齲蝕の進行抑制と歯質切削処置を極力避ける治療を実施している. 今回, 小児の臨床に向けたより実践的な応用を試みた手技について報告する. なお, 実施に際しては保護者と患児本人の了承を得た上で実施した. 方法:2004年7月~2008年6月までの定期健診にて受診した患児のうち, 視診型検診にてC2と判断した幼若永久歯404歯を対象とした. 1.患歯の歯面清掃後, 自然光下にて歯面状態認識装置(DIAGNOdent(R), KAVO社製)を用い齲蝕深度の診断を行った. 2.齲蝕部にCO2レーザー(PanalasCO5Σ(R), パナソニックデンタル社製)を20秒~30秒程度照射し, 齲蝕罹患歯質の蒸散を計5回繰り返し行った. 3.レーザー照射5回目にDIAGNOden(R)で再度診断可能な透明の小窩裂溝填塞材(ティースメイトF-1, 2.0無色, kuraray社, 以下FS)を填塞した. 4.填塞後, 再度DIAGNOdent(R)による診断を行った. 5.定期健診毎にDIAGNOdent(R)による診断を実施し数値を確認した. 6.数値が30以上であったものは切削処置を実施した. 結果:C2と判断した, 404歯中, 処置に至った歯は43歯(10.6%)で, 現在も処置していない歯は, 361歯(89.4%)である. 現時点で最初の診査から1年未満を経過し, 切削治療をしていない歯は191歯(47.3%), 2年未満は146歯36.2%), 4年未満が24歯であった. 考察とまとめ:今回, 試みたDIAGNOdent(R)とCO2レーザーを有効に併用することにより, 切削治療の回避や協力状態を考慮して治療に至る時期の延長が可能となり, 齲蝕の進行抑制やMIを満たす治療が可能と考えられた. さらに, C2の切削処置を回避できることが期待されることから, 今後も引き続き継続調査を行う予定である. |
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ISSN: | 0583-1199 |