P-3 中山間地域の小規模保育園における歯科保健指導のあり方に関する-考察
緒言:「中山間地域」とは平野の外縁部から山間地にいたるまとまった平坦な耕地の少ない地域を意味し, 子育て環境としては諸々の厳しい条件が重なり, 歯科保健推進においても家庭の役割と負担が重くなりがちになると推測される地域である. 今回著者らは, 三重県津市美杉町にある津市立八知保育園において過去実施された歯科保健活動を検証し, 保護者の意向を取り入れた取り組みについて考察した. 対象と方法:対象としたのは三重県津市南西部の美杉町にある津市立八知保育園である. 演者は旧美杉村時代の平成16年から保育園担当医として年2回の歯科検診を, 津市と合併した平成18年からは春に歯科検診, 秋に歯科保健活動を...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2010, Vol.48 (1), p.140-141 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言:「中山間地域」とは平野の外縁部から山間地にいたるまとまった平坦な耕地の少ない地域を意味し, 子育て環境としては諸々の厳しい条件が重なり, 歯科保健推進においても家庭の役割と負担が重くなりがちになると推測される地域である. 今回著者らは, 三重県津市美杉町にある津市立八知保育園において過去実施された歯科保健活動を検証し, 保護者の意向を取り入れた取り組みについて考察した. 対象と方法:対象としたのは三重県津市南西部の美杉町にある津市立八知保育園である. 演者は旧美杉村時代の平成16年から保育園担当医として年2回の歯科検診を, 津市と合併した平成18年からは春に歯科検診, 秋に歯科保健活動を行なっている. 一方, 三重県歯科医師会が実施した「フッ化物洗口モデル事業」の対象園として園児に対する年1度のブラッシング教室も行われた. このような経過を踏まえ, 保護者が今後どのような歯科保健活動に期待しているか, またそれに応えた時にどのように意識が変化するのかを知るために, 無記名のアンケート調査を行った. アンケートの実施時期は平成20年5月と同年12月の2度である. 1度目は秋の保健教室の内容について保護者の希望を調査した. その希望に沿った保健教室を行ったうえで, 2度目ではその効果が家庭にどのように波及しているのかを調査すると同時に今後の歯科保健活動のあり方について再度質問し, 保護者の意識に変化があったかどうかを検討した. 結果と考察:アンケートの回収率は, 1度目が88%, 2度目が68%であった. 2度のアンケートの結果から, 保護者の多くは園児の歯科保健に対する関心は決して低くないものの, 自らが保育園での活動を通してより積極的に関与して行こうという意欲はあまり高くないと思われた. 一方で, 保護者の希望に沿った形式での歯科保健活動の実施が, 多少なりとも積極的な関与への動機付けになるという期待も感じられた. 以上のことから, 中山間地域の小規模保育園における歯科保健活動は保護者の意識をいかに高めていくかという点に十分配慮することが大切であると思われた. |
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ISSN: | 0583-1199 |