O-6 学校給食に関する咀嚼の検討 -麺類, 米飯類, パン類の違い

目的:学校給食の内容と咀嚼との関係を明確にする目的のひとつとして, 主食の違いによって小児の咀嚼パラメーターがどのような影響を受けるのかについて観察研究を行ったので報告した. 対象および方法:新潟県北部のF小学校6年生6名(男児3名, 女児3名)を研究対象とした. 被験児はヘルマンの歯齢IIIBからIIICで, 顎口腔系に機能異常は認めなかった. 給食の主食が, 麺類(ワンタン麺とキムチラーメン), 米飯類(鶏肉のフライごはんと鱒の焼き魚ごはん), パン類(海老カツバーガーとチリコンカン付きのパン)となる日に, 6名同時に給食の様子をビデオ撮影した. 6種類の給食について, 映像記録からそれぞ...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2010, Vol.48 (1), p.112-112
Hauptverfasser: 小林英樹, 田口洋, 松山順子, 三富智恵, 佐野富子, 川崎勝盛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:学校給食の内容と咀嚼との関係を明確にする目的のひとつとして, 主食の違いによって小児の咀嚼パラメーターがどのような影響を受けるのかについて観察研究を行ったので報告した. 対象および方法:新潟県北部のF小学校6年生6名(男児3名, 女児3名)を研究対象とした. 被験児はヘルマンの歯齢IIIBからIIICで, 顎口腔系に機能異常は認めなかった. 給食の主食が, 麺類(ワンタン麺とキムチラーメン), 米飯類(鶏肉のフライごはんと鱒の焼き魚ごはん), パン類(海老カツバーガーとチリコンカン付きのパン)となる日に, 6名同時に給食の様子をビデオ撮影した. 6種類の給食について, 映像記録からそれぞれの総咀嚼時間, 総咀嚼回数, 一口数, 一口当たりの咀嚼回数を, さらに摂食した重量から平均一口量を求めた. 各給食間での咀嚼パラメーターの比較には, Holmの多重比較検定を用いた. 結果:総咀嚼時間は, 麺類の1品目(ラーメン)でのみ有意に短く, 総咀嚼回数は1品目(海老カツバーガー)でのみ有意に多かったが, 他の5品目間での差はなかった. 一口数は米飯類2品目でやや多く, 平均一口量は麺類2品目でやや多かったが, 全品目間で有意差は認められなかった. 一口当たりの咀嚼回数は1品目(海老カツバーガー)でのみ有意に多かった. 考察および結論:今回対象とした給食では, 一部の品目を除き, 主食が変化しても咀嚼への影響にはほとんど違いがなかった. このことから, 咀嚼の観点から学校給食を考えた場合, 栄養が偏らないことに留意すれば, 主食の種類にこだわることはないと考えられた.
ISSN:0583-1199