幼児期の顔面軟組織の三次元形態解析: 2.幅径と高径について

顔面の形態は歯科だけでなく,人体寸法・形状という観点からも関心が持たれている。しかし,小児を対象とした近年の報告は限られており,特に幼児に関する報告は見当たらない。そこで,本研究はレーザー型三次元非接触型デジタイザを用い,鹿児島市のT 保育園・幼稚園に通園する健康な4~6 歳の幼児(年齢毎に男女各20 名:計120 名)の顔面形態を計測し,成長に伴う変化と性差について横断的検討を行なった。計測項目は幅径として,外眼角幅径,内眼角幅径,鼻翼外側間幅径,口裂幅径の4 個,高径として,鼻部高径,上顔面高径,口裂高径,顔面高径,下顔面高径,赤唇高径の6 個を設定した。全体として,増齢的に幅径・高径が増...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2009/12/25, Vol.47(5), pp.726-731
Hauptverfasser: 西嶋, 奈緒美, 深水, 篤, 岩崎, 智憲, 武元, 嘉彦, 窪田, 直子, 稲田, 絵美, 井形, 紀子, 奥, 猛志, 齋藤, 一誠, 早崎, 治明, 山﨑, 要一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:顔面の形態は歯科だけでなく,人体寸法・形状という観点からも関心が持たれている。しかし,小児を対象とした近年の報告は限られており,特に幼児に関する報告は見当たらない。そこで,本研究はレーザー型三次元非接触型デジタイザを用い,鹿児島市のT 保育園・幼稚園に通園する健康な4~6 歳の幼児(年齢毎に男女各20 名:計120 名)の顔面形態を計測し,成長に伴う変化と性差について横断的検討を行なった。計測項目は幅径として,外眼角幅径,内眼角幅径,鼻翼外側間幅径,口裂幅径の4 個,高径として,鼻部高径,上顔面高径,口裂高径,顔面高径,下顔面高径,赤唇高径の6 個を設定した。全体として,増齢的に幅径・高径が増加する傾向を認めた。しかし,5 歳と6 歳の年齢間には多くの計測項目において有意な差を認めたものの,4 歳と5 歳の年齢間では女児の2 項目だけに有意差を認めたことから,この2 年間においても1 年毎に成長量が異なることが示唆された。幅径の計測項目は,頭蓋に近い,より上方の計測項目ほど成人に近い値を示した。年齢毎に行なった性差の検定では,3 つの年齢における,それぞれ10 個の計測項目,計30 項目の中で5 個の項目において有意差を認めたが,一定の傾向は見られなかった。 以上より,幼児の顔面は全体として成長していく中で,その量は年齢,性別,部位のそれぞれにおいて特徴があることが示唆された。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd.47.5_726