保育園児と幼稚園児の齲蝕罹患状況の相違について: 歯科健診標準化と結果集約システムにおける分析
地方の政令指定都市であるS 市では,実態に即した効果的な齲蝕予防の実践とその評価のために,市全体の保育園(所)・幼稚園における歯科健診の標準化と健診結果集約・分析システムを構築した。本システムにより平成19 年度には,0〜5 歳の保育園・幼稚園児23,222 人の健診結果が集約され,分析を行い,保育園児と幼稚園児の齲蝕罹患状況を比較したところ以下の結果を得た。1 .齲蝕有病者率,一人平均齲歯数は,3〜5 歳のいずれの年齢でも保育園児のほうが幼稚園児より高かった。保育園・幼稚園とも乳歯齲蝕罹患の経年的減少傾向は認められたが,2〜3 年前の全国平均の値に相当した。2 .齲蝕有病者における処置完了者...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2009/06/25, Vol.47(3), pp.427-432 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 地方の政令指定都市であるS 市では,実態に即した効果的な齲蝕予防の実践とその評価のために,市全体の保育園(所)・幼稚園における歯科健診の標準化と健診結果集約・分析システムを構築した。本システムにより平成19 年度には,0〜5 歳の保育園・幼稚園児23,222 人の健診結果が集約され,分析を行い,保育園児と幼稚園児の齲蝕罹患状況を比較したところ以下の結果を得た。1 .齲蝕有病者率,一人平均齲歯数は,3〜5 歳のいずれの年齢でも保育園児のほうが幼稚園児より高かった。保育園・幼稚園とも乳歯齲蝕罹患の経年的減少傾向は認められたが,2〜3 年前の全国平均の値に相当した。2 .齲蝕有病者における処置完了者の割合,齲歯数における処置歯の割合はいずれも3〜5 歳のどの年齢においても保育園児のほうが幼稚園児より有意に低かった。幼稚園5 歳児を除いたすべての年齢において保育園・幼稚園とも齲歯における処置歯率は20〜40%程度で,半数に満たなかった。以上より,保育園児では幼稚園児に比較して齲蝕罹患傾向が高いにもかかわらず,治療がなされていない状況が明らかになり,早期よりの集団への齲蝕予防のための介入の必要性が示唆された。また,幼稚園児においても齲蝕罹患状況は良好とは言えず,同様に適切な歯科健康管理が行えるような支援が必要と思われた。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd.47.3_427 |