有限要素法による小児期の咬合育成に関する研究: オトガイ帽装置による下顎歯列および下顎骨への影響

乳歯列期の下顎反対咬合の治療装置として多く使用されているオトガイ帽装置について,最も効果的な牽引方向を検討することを目的とし,小児の乾燥頭蓋から乳歯列期の下顎骨の三次元有限要素法モデルを作成した。牽引方向はオトガイ部から下顎頭方向へ0°,+10°と-10°に設定し,荷重を負荷して下顎乳歯列および下顎骨の形態変化と応力分布を解析した結果により,以下の結論が得られた。 1. 下顎乳歯列では,下顎頭方向へ0°の牽引が乳切歯部の後方および乳臼歯部の側方への変位量が最も高かった。 2. 下顎骨では,下顎頭方向へ0°の牽引方向がオトガイ部の後方,下顎角部の側方および下顎角部の下方への変位量が最も高かった。...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2009/03/25, Vol.47(1), pp.41-50
Hauptverfasser: 堀田, 博史, 嘉藤, 幹夫, 大東, 道治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳歯列期の下顎反対咬合の治療装置として多く使用されているオトガイ帽装置について,最も効果的な牽引方向を検討することを目的とし,小児の乾燥頭蓋から乳歯列期の下顎骨の三次元有限要素法モデルを作成した。牽引方向はオトガイ部から下顎頭方向へ0°,+10°と-10°に設定し,荷重を負荷して下顎乳歯列および下顎骨の形態変化と応力分布を解析した結果により,以下の結論が得られた。 1. 下顎乳歯列では,下顎頭方向へ0°の牽引が乳切歯部の後方および乳臼歯部の側方への変位量が最も高かった。 2. 下顎骨では,下顎頭方向へ0°の牽引方向がオトガイ部の後方,下顎角部の側方および下顎角部の下方への変位量が最も高かった。 3. 下顎骨では,下顎頭方向へ0°の牽引方向が下顎頸部の応力量が最も高かった。 本研究は,乳歯列期の下顎反対咬合に対するオトガイ帽装置の咬合育成治療に有効利用できることを示唆している。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd.47.1_41