ストレスおよびその回復の評価法に関する研究: 鼻部皮膚温度と知覚レベルおよび心理状態

コミュニケーション能力が発達途上にある小児の歯科診療において,歯科医は患児の心理状態を的確に把握する必要がある.これまでに,鼻部皮膚温度と心理状態との関連性に関する研究が行われてきたが,ストレス負荷時に限定された報告が多く,ストレス状態からの回復過程における研究はほとんど行われていない.そこで,本研究では,ストレッサーとして氷刺激を手掌部に与え,特に,ストレス状態からの回復過程における心理状態と鼻部皮膚温度との関係を明らかにすることを目的とし実験を行った.まず,実験期間中の知覚レベルおよび不安レベルをTimes eries Visual Analog Scale(T-VAS),および日本語版状...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2008/12/25, Vol.46(5), pp.578-584
Hauptverfasser: 隈元, 美貴子, 柳田, 元継, 保富, 貞宏, 西田, 綾美, 玄, 松玉, 杜, 小沛, 假谷, 直之, 西村, 美智子, 松村, 誠士, 下野, 勉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:コミュニケーション能力が発達途上にある小児の歯科診療において,歯科医は患児の心理状態を的確に把握する必要がある.これまでに,鼻部皮膚温度と心理状態との関連性に関する研究が行われてきたが,ストレス負荷時に限定された報告が多く,ストレス状態からの回復過程における研究はほとんど行われていない.そこで,本研究では,ストレッサーとして氷刺激を手掌部に与え,特に,ストレス状態からの回復過程における心理状態と鼻部皮膚温度との関係を明らかにすることを目的とし実験を行った.まず,実験期間中の知覚レベルおよび不安レベルをTimes eries Visual Analog Scale(T-VAS),および日本語版状態・特性不安検査(STAI)を使って調べた.同時に,鼻部皮膚温度は,サーモグラフィを使って5分毎に測定した.その結果,氷刺激による痛み等の知覚レベルおよび不安感が増大する時は,鼻部皮膚温度は低下した.また,氷刺激停止後に痛みや不安感が時間の経過とともに減少する時,鼻部皮膚温度は上昇し,刺激前の温度にまで回復した.よって,これらの関係性を利用することで,サーモグラフィによる鼻部皮膚温度の測定から痛みや不安のような心理状態の評価を行える可能性が強く示唆された.
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.46.5_578