P-1 歯列咬合および社会的・心理的要因で発症した子どもの顎関節症
はじめに:子どもの歯科医療において, 顎関節症は症例を客観視するためにEBM(Evidence Based Medicine)は非常に大切である. しかし患者との良好なコミュニケーションを最重要視する疾病支援においては, 症例を主観的にみるNBM(Narrative Based Medicine)が重要なツールとなることが多い. 今回16歳2か月と18歳4か月に顎関節症を発症した初診時16歳2か月の女児についての3年間の顎関節症支援についてNarrativeに捉えたので発表した. 症例及び経過:初診時年齢16歳2か月の高校生女児. “叢生が気になる”を主訴に当院を受診. 初診時の診査で顎関節症...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2008, Vol.46 (1), p.115-115 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに:子どもの歯科医療において, 顎関節症は症例を客観視するためにEBM(Evidence Based Medicine)は非常に大切である. しかし患者との良好なコミュニケーションを最重要視する疾病支援においては, 症例を主観的にみるNBM(Narrative Based Medicine)が重要なツールとなることが多い. 今回16歳2か月と18歳4か月に顎関節症を発症した初診時16歳2か月の女児についての3年間の顎関節症支援についてNarrativeに捉えたので発表した. 症例及び経過:初診時年齢16歳2か月の高校生女児. “叢生が気になる”を主訴に当院を受診. 初診時の診査で顎関節症状(関節雑音, 咀嚼筋痛, 開口障害)を認めた. 患児の既往歴, 家族歴に特記事項はないものの, 高校通学のために自宅を離れ祖父母宅で生活していた. 患児への支援は当医院で用いている顎関節症のフローチャートに沿って行った. 04年9月 TMD初診顎関節症状(関節雑音, 開口障害, 咀嚼筋痛) 04年9月~11月 顎関節症の初期治療(スプリント療法) 05年2月~06年9月 Full Bracketによる不正咬合治療(約1年6か月) 06年9月~ 保定治療および顎関節症のメインテナンスを開始. 06年11月 TMD再発顎関節症状(関節雑音, 開口障害, 咀嚼筋痛) 07年2月~ メインテナンス中 まとめ:3年間の顎関節症支援で2度顎関節症が発症した. 顎関節症支援において客観的実態を明確にするEBMは大事であるが, 患児との主観的な体験を大切にするNBMは顎関節症患児の生活支援をする上で非常に重要である. 今回, 患児の週間スケジュール等, 生活を把握することで患児の生き方を顎関節症を通して支援できた. |
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ISSN: | 0583-1199 |