P-15 本学小児歯科外来に来院した患者の永久歯の石灰化度および先天欠損歯と過剰埋伏歯の調査
著者らは日本人の歯の石灰化年齢の基準値を求めるため, まず過去5年間のうちに九州歯科大学付属病院小児歯科診療室を受診し, パノラマ撮影を受けた6~9歳の小児患者, 279人のパノラマレントゲン写真を対象とし, 石灰化の状態や男女差, さらに永久歯の欠損の様子などを調べた. Nollaの石灰化年齢を基準にして永久歯の犬歯から第2大臼歯において, それぞれの歯牙の石灰化の段階を数値化し, 統計処理を行い, 石灰化年齢と年齢, 男女差の関係について調査した. 同時に永久歯の欠損の部位や過剰歯の発生部位についても調査を行った. 月齢に対する各歯牙の石灰化度は相関関係を有しており, またNolla(19...
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Veröffentlicht in: | 日本歯科学雑誌 2007, Vol.45 (1), p.189-190 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 著者らは日本人の歯の石灰化年齢の基準値を求めるため, まず過去5年間のうちに九州歯科大学付属病院小児歯科診療室を受診し, パノラマ撮影を受けた6~9歳の小児患者, 279人のパノラマレントゲン写真を対象とし, 石灰化の状態や男女差, さらに永久歯の欠損の様子などを調べた. Nollaの石灰化年齢を基準にして永久歯の犬歯から第2大臼歯において, それぞれの歯牙の石灰化の段階を数値化し, 統計処理を行い, 石灰化年齢と年齢, 男女差の関係について調査した. 同時に永久歯の欠損の部位や過剰歯の発生部位についても調査を行った. 月齢に対する各歯牙の石灰化度は相関関係を有しており, またNolla(1960)の調査と著者らの調査結果を比較したところ, Nollaの調査のほうが進行していることが示された. また男女差に関しては, 大部分の歯において, 女児の方が石灰化の進行が速かった. 永久歯の欠損に関しては, 側切歯と第二小臼歯の部位に多くの欠損が見られた. 過剰歯は全体の10.7%で, 上顎正中部が最も多く見られた. 石灰化に遅れが見られた理由としては, 日本人と白人との人種の差が考えられる. また, Nollaが石灰化年齢の基準を作ったのは1960年であり, 現代と比較して食生活や栄養, 生活習慣というような時代の差を考えることもできる. 男女差に関しては, 一般的に男児よりも女児の方の成長期が早いといわれており, 石灰化は成長ホルモンの影響を受けていると考えられる. また欠損の部位や過剰歯の出現部位に関しては, これまでの報告と同様であり, 現在でもその傾向は変化していないと考えられる. |
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ISSN: | 0583-1199 |