P-6 ローラー型歯ブラシの小児への応用

百数十年続いた歯ブラシの形態と機能を進歩させたローラー型歯ブラシは, 成人に対してあらゆる角度から研究されたが, 小児に対しての報告は少ない. そこで小児への応用の可・不可を調査すると共にその効果について考察した. 対象について:1)何歳から使用できるか 2)乳歯列期歯肉炎に有効か 3)交換期あるいは思春期の歯肉炎ではどうか 4)歯列不正および矯正装置者にも有効か 5)一型糖尿病など, 全身症に罹患している小児が使用した時の有効性はどうかを調査対象とした. 方法は:1)ローラー型歯ブラシへの興味度 2)ローラー型歯ブラシ指導時間(タイムテーブルの操作) 3)使用感のアンケート調査 4)歯垢清掃...

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Veröffentlicht in:日本歯科学雑誌 2007, Vol.45 (1), p.165-166
Hauptverfasser: 親里嘉健, 尾崎貞宣, 塚本幸子, 中村弘之, 吉原正彦, 森谷泰之, 矢尾和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:百数十年続いた歯ブラシの形態と機能を進歩させたローラー型歯ブラシは, 成人に対してあらゆる角度から研究されたが, 小児に対しての報告は少ない. そこで小児への応用の可・不可を調査すると共にその効果について考察した. 対象について:1)何歳から使用できるか 2)乳歯列期歯肉炎に有効か 3)交換期あるいは思春期の歯肉炎ではどうか 4)歯列不正および矯正装置者にも有効か 5)一型糖尿病など, 全身症に罹患している小児が使用した時の有効性はどうかを調査対象とした. 方法は:1)ローラー型歯ブラシへの興味度 2)ローラー型歯ブラシ指導時間(タイムテーブルの操作) 3)使用感のアンケート調査 4)歯垢清掃効果 5)各種症例の写真記録による追跡 などによって小児への応用の可・不可について判定した. 結果:ローラー型歯ブラシは一見しただけでは歯垢清掃具とは判断がつきにくく, 作用秩序も異なるため, 成人では固定観念が強く特に過去数回の歯垢清掃指導を受けていた者ほどとりつきにくく, 指導に時間がかかり使用感も良否2派に大きく分かれたが, 小児では一歳児でも, 指導者や母親が使用して見せると興味を持って使用する. しかし年齢が高くなるほど使用するまでに時間がかかった. 使用感は良いと判定する者が多く, 低年齢児や障害を持っている小児は見ただけで反射的に開口するようになる. 各種歯肉炎は圧をかけずにローラーを転がすような磨きができるようになると, 出血はなく炎症は治まる. 歯列不正やD. B. S矯正装置にも有効である. 特に全身症の一例では予想以上の結果を得た. 結論:現代の歯垢清掃は, 歯垢除去や歯肉マッサージ効果が全身にどのような影響を及ぼすかに重点を置かれる方向に向いている. ローラー型歯ブラシの小児への応用は未来の歯科医学に大きな意義を持っていると考える.
ISSN:0583-1199