自然消失した先天性エプーリスの1例
生下時に認められた歯肉の腫瘤を主訴に来院し,臨床的に先天性エプーリスと診断した1例を経験した. 患児は初診時生後9日齢の女児で,上顎右側前歯部歯肉に,広い茎部を持つ長径12mm,短径8.5mm,歯肉からの高さ7mmの卵円形の腫瘤を認めた.硬度は弾性硬であった.腫瘤面は滑沢で,粘膜色は正常であった.哺乳,呼吸などになんらの障害も認められなかったため,経過観察を行った.生後1か月時には,基底部が16mmと増大したものの,その後縮小傾向を示し,生後6か月時には完全に消失した.生後12か月時において再発は認められず,歯の萌出位置や時期にも異常は認められなかった. 本症例の結果から,先天性エプーリスは自...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2007/03/25, Vol.45(1), pp.97-102 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 生下時に認められた歯肉の腫瘤を主訴に来院し,臨床的に先天性エプーリスと診断した1例を経験した. 患児は初診時生後9日齢の女児で,上顎右側前歯部歯肉に,広い茎部を持つ長径12mm,短径8.5mm,歯肉からの高さ7mmの卵円形の腫瘤を認めた.硬度は弾性硬であった.腫瘤面は滑沢で,粘膜色は正常であった.哺乳,呼吸などになんらの障害も認められなかったため,経過観察を行った.生後1か月時には,基底部が16mmと増大したものの,その後縮小傾向を示し,生後6か月時には完全に消失した.生後12か月時において再発は認められず,歯の萌出位置や時期にも異常は認められなかった. 本症例の結果から,先天性エプーリスは自然治癒する可能性があるため,乳児例においては,哺乳障害等の緊急的症状が認められない限り切除は行わずに自然治癒を期待した経過観察を第一選択処置とすべきであると示唆された. |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.45.1_97 |