10 保育園児における口唇閉鎖力と咀嚼能力の関連について
口唇閉鎖は離乳期からの学習により獲得され咀嚼・嚥下を始めとする口腔機能の発達に大きな影響をあたえる. 小児の口唇閉鎖力に関しては, いくつかの報告があるが, 口唇閉鎖力と咀嚼機能の関連について調べたものはみあたらない. そこで, 口唇閉鎖力と咀嚼機能の一指標である咀嚼能力との関連性を調べる目的で調査を行った. 「対象と方法」:2003年6~7月仙台市内の保育園5か所における年長児クラス120名を対象に口唇閉鎖力, 咀嚼能力, 前歯部咬合の診査を行い, 全ての調査項目を実施した92名の測定結果について分析した. 対象児の内訳は男児57名, 女児35名(4歳16名, 5歳65名, 6歳11名)であ...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2006, Vol.44 (1), p.91-91 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 口唇閉鎖は離乳期からの学習により獲得され咀嚼・嚥下を始めとする口腔機能の発達に大きな影響をあたえる. 小児の口唇閉鎖力に関しては, いくつかの報告があるが, 口唇閉鎖力と咀嚼機能の関連について調べたものはみあたらない. そこで, 口唇閉鎖力と咀嚼機能の一指標である咀嚼能力との関連性を調べる目的で調査を行った. 「対象と方法」:2003年6~7月仙台市内の保育園5か所における年長児クラス120名を対象に口唇閉鎖力, 咀嚼能力, 前歯部咬合の診査を行い, 全ての調査項目を実施した92名の測定結果について分析した. 対象児の内訳は男児57名, 女児35名(4歳16名, 5歳65名, 6歳11名)である. 口唇閉鎖力の測定は, LIP DE CUM(R)(コスモ計器製)を用いて座位にて3回計測し, 平均値を個人の口唇閉鎖力とした. また咀嚼能力の測定は, ATP顆粒剤(興和)1gをゴム製指サック内に包填したものを試験材料とし, 30秒の自由咀嚼を3度行い, それぞれ咀嚼回数を計測者が記録した. 回収した試験材料を2リットルの蒸留水中で1分間連続撹拌した後に濾過し, ATP溶出濾液の一部を分光光度計にて吸光度を測定した. 測定結果の平均値を個人の咀嚼能力値, 咀嚼回数とし, 咀嚼能力値/咀嚼回数を咀嚼効率とした. 統計処理はSpearmanの順位相関, Student t-test, 分散分析を用いた. 「結果および考察」:口唇閉鎖力, 咀嚼能力値は5.53±0.26, 0.164±0.010Abs(mean±S.E.)でいずれも性差, 咬合状態による有意差は認められなかった. 以上より92名のデータを一括して, 口唇閉鎖力と咀嚼能力値の関連を検討したところ, 口唇閉鎖力と咀嚼能力値との間および口唇閉鎖力と咀嚼効率の間にそれぞれ正の相関が認められた(r=0.301, p |
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ISSN: | 0583-1199 |