E-10 歯科用小照射野エックス線CT画像上で下顎頭のerosionが認められた8歳女児の顎関節症治療例

「はじめに」:成長期における小児の顎関節症では顎関節形態のみならず, 顎顔面形態にも影響を与えるとされ, 早期からの診査・診断および治療が必要である. 今回演者らは, 日本大学歯学部放射線学教室にて開発された歯科用小照射野エックス線CT(3DX:以下歯科用CT)を用いて診査を行った小児顎関節症治療例を報告する. 「症例」:8歳8か月女児, 顎関節部の疼痛と関節雑音(クリック音), 開口障害などを主訴に来院. 顎関節症状の診査, 歯科用CTによる診査などを行った. その結果, 右側顎関節に開口時に疼痛が認められ, 最大開口量は32.5mmであった. また, 歯科用CT画像上で右側下顎頭に著しいe...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2005, Vol.43 (1), p.136-137
Hauptverfasser: 坂部留可, 坂部潤, 鈴木久恵, 工藤真理子, 新国七生, 小野寺妃枝子, 吉田昌史, 菊池元宏, 中島一郎, 本田和也, 橋本光二, 中川正治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」:成長期における小児の顎関節症では顎関節形態のみならず, 顎顔面形態にも影響を与えるとされ, 早期からの診査・診断および治療が必要である. 今回演者らは, 日本大学歯学部放射線学教室にて開発された歯科用小照射野エックス線CT(3DX:以下歯科用CT)を用いて診査を行った小児顎関節症治療例を報告する. 「症例」:8歳8か月女児, 顎関節部の疼痛と関節雑音(クリック音), 開口障害などを主訴に来院. 顎関節症状の診査, 歯科用CTによる診査などを行った. その結果, 右側顎関節に開口時に疼痛が認められ, 最大開口量は32.5mmであった. また, 歯科用CT画像上で右側下顎頭に著しいerosionが認められた. 左側顎関節に異常は認められなかった. 約1年間のスタビリゼーション型スプリントによる治療の結果, 顎関節部の疼痛, 関節雑音が消失し, 最大開口量も46.6mmに増加した. また, 歯科用CT画像上でも右側下顎頭のerosionはほぼ消失していた. 「まとめ」:小児期の顎関節症治療においてもスタビリゼーション型スプリントによる咬合の安定化が有効であることが, 臨床症状の改善だけではなく, 高解像度の歯科用CT画像からも示された.
ISSN:0583-1199