若年者の関節円板障害患者における前方整位型スプリント治療の効果

本研究は,MR画像検査から復位を伴う関節円板前方転位と確定診断された患児に対して前方整位型スプリントを装着し,顎関節症状の推移とMR画像検査による関節円板位置を評価することを目的として行った。評価対象は平成13年10月から平成15年12月までの間に日本大学松戸歯学部附属歯科病院小児歯科部を受診し,MR画像検査により開口時の関節円板の復位を伴う関節円板前方転位と確定診断された26名のうち,参加基準を満たした11歳から16歳の患児15名とした。評価項目は自覚症状,開口量,開口時痛,圧痛,ロック症状,関節雑音,異常下顎運動とし,それぞれ治療前,治療開始1週後,1か月後,3か月後,6か月後に治療前と比...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2004/09/25, Vol.42(4), pp.518-526
Hauptverfasser: 鶴山, 賢太郎, 鬼頭, 依里, 西村, 一美, 田中, 眞理, 前田, 隆秀
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究は,MR画像検査から復位を伴う関節円板前方転位と確定診断された患児に対して前方整位型スプリントを装着し,顎関節症状の推移とMR画像検査による関節円板位置を評価することを目的として行った。評価対象は平成13年10月から平成15年12月までの間に日本大学松戸歯学部附属歯科病院小児歯科部を受診し,MR画像検査により開口時の関節円板の復位を伴う関節円板前方転位と確定診断された26名のうち,参加基準を満たした11歳から16歳の患児15名とした。評価項目は自覚症状,開口量,開口時痛,圧痛,ロック症状,関節雑音,異常下顎運動とし,それぞれ治療前,治療開始1週後,1か月後,3か月後,6か月後に治療前と比較して評価を行った。さらにスプリント治療開始前および顎関節症状に改善が認められた時点においてMR画像検査を行い,関節円板位置を評価した。 その結果,前方整位型スプリント治療後には,患児の自覚症状,開口量,開口時痛,圧痛,ロック症状,異常下顎運動の項目において有意な改善が認められた。関節雑音とMR画像検査による関節円板位置については,術後の有意な改善は認められなかったものの,40%程度の患児において改善が認められた。 本研究より,若年者の関節円板障害患者に対する前方整位型スプリント治療は,顎関節症状を軽減し,良好な治療経過によっては関節円板位置を改善する可能性が示唆された。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.42.4_518