P-4 若年者顎関節症の症型別発症頻度と臨床的検討‐特に変形性関節症について

「目的」:日本顎関節学会は2001年に「顎関節症診療に関するガイドライン」を発表し, その中で, 顎関節症の症型分類の手順および診断基準を提示している. 今回, そのガイドラインに基づき, 若年者顎関節症患者を対象に症型別発症頻度を調査したので報告する. 「方法」:対象者は鹿児島大学歯学部附属病院小児歯科外来を訪れ, エックス線断層撮影やMRI撮影を行い, 顎関節症と診断された6歳から20歳(平均年齢14.6歳)の213名(男子:34名, 女子:179名)である. その対象者を15歳未満と15歳以上に分け, それぞれ「顎関節症診療に関するガイドライン」の診断基準を基に症型分類を行った. 「結果...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2004, Vol.42 (1), p.166-167
Hauptverfasser: 藤本純, 重田浩樹, 松本祐子, 長谷川大子, 石谷徳人, 山崎要一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」:日本顎関節学会は2001年に「顎関節症診療に関するガイドライン」を発表し, その中で, 顎関節症の症型分類の手順および診断基準を提示している. 今回, そのガイドラインに基づき, 若年者顎関節症患者を対象に症型別発症頻度を調査したので報告する. 「方法」:対象者は鹿児島大学歯学部附属病院小児歯科外来を訪れ, エックス線断層撮影やMRI撮影を行い, 顎関節症と診断された6歳から20歳(平均年齢14.6歳)の213名(男子:34名, 女子:179名)である. その対象者を15歳未満と15歳以上に分け, それぞれ「顎関節症診療に関するガイドライン」の診断基準を基に症型分類を行った. 「結果」:15歳未満の対象者は男子12名, 女子101名の113名であった. 症型分類の結果はI型8名(7.1%), II型3名(2.7%), III型99名(87.6%), V型3名(2.7%)であった. 15歳以上の対象者は男子22名, 女子78名の100名であった. 症型分類の結果はI型6名(6.0%), II型6名(6.0%), III型72名(72.0%), IV型11名(11.0%), V型5名(5.0%)であった. 「考察」:今回の調査において15歳未満ではIII型が最も多く, 次いでI型, II型, V型の順であった. 15歳以上でも同様の傾向を示し, III型が最も多かった. 成人の顎関節症の症型別発症頻度を調査した報告と比較し, 頻度順は変わらなかったものの, III型の占める割合が多くなっていた. これは, 若年者の顎関節症の特徴として顎関節形態との関連が強いことことを示している. また, 15歳未満で骨変形が認められた患者は15名(13.3%)であり, 15歳以上では11名(11.0%)であった. 骨変形の有無で, 臨床症状と治療経過について比較したところ, 特徴的な傾向は認められなかった. これは, 若年者では骨変形の有無が重症化の指標とはならないことを示唆していると思われた.
ISSN:0583-1199