P-2 近心傾斜萌出歯の簡単な治療法
日常臨床において, 第一大臼歯あるいは第二大臼歯が萌出時に近心傾斜し, 近心隣在歯の遠心部に緊密に接触することにより正常な萌出が妨げられている症例に多々遭遇する. このような場合放置すると, 歯牙の萌出方向の異常や, 近心隣在歯の歯根吸収などを引き起こすことが多く, 早期の治療が求められるが, 従来は一般的にワイヤーセパレーターを使用する方法が行われていた. 今回演者らは, より簡単な治療法の検討を行い, 矯正用ゴムリングであるエラスティックセパレーターを使用する方法に着目し, 臨床で使用してきた. その結果, 対象症例のうち94~95%に良好な結果が得られたので報告する. また, 当療法の対...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2004, Vol.42 (1), p.133-133 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 日常臨床において, 第一大臼歯あるいは第二大臼歯が萌出時に近心傾斜し, 近心隣在歯の遠心部に緊密に接触することにより正常な萌出が妨げられている症例に多々遭遇する. このような場合放置すると, 歯牙の萌出方向の異常や, 近心隣在歯の歯根吸収などを引き起こすことが多く, 早期の治療が求められるが, 従来は一般的にワイヤーセパレーターを使用する方法が行われていた. 今回演者らは, より簡単な治療法の検討を行い, 矯正用ゴムリングであるエラスティックセパレーターを使用する方法に着目し, 臨床で使用してきた. その結果, 対象症例のうち94~95%に良好な結果が得られたので報告する. また, 当療法の対象者の年齢層は, 約85%が小学生で, あとは中学生以上の年齢層であった. 従来のワイヤーセパレーターを使用する方法では, 頻繁な調整が必要であり手間もかかったが, エラスティックセパレーターを使用した場合には, 弾力の低下する3~4週間毎に交換を行い, 萌出状況を確認しながら数回の交換で萌出方向の改善がみられた. 使用法としては, 矯正用エラスティックセパレーターとセパレータープライヤーを使用し, デンタルフロスを挿入する要領で行う. 数%の不適応症例が存在するが, それらはエラスティックセパレーター使用可能時まで従来のワイヤーセパレーターを使用し, 数回の調整後にはエラスティックセパレーターに交換できるので, それらの使用により従来の方法よりは簡便に治療ができた. また, ワイヤーセパレーター使用時にワイヤーの先端をきれいに研磨調整すると緊密接触部に挿入しやすくなる事も分かった. |
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ISSN: | 0583-1199 |