乳歯列の経時的な咬合面形態計測システムの開発
成長期の小児において,咀嚼機能の軌跡であると考えられる乳臼歯咬合面形態の経時的変化を明らかにする目的で,接触型三次元座標測定装置を用いた形態データの重ね合わせシステムを開発した。このシステムに関する精度を形状測定用基準ブロックおよび上顎右側第一大臼歯を用いて算出した結果,両者とも高い精度を有し,解析に十分耐えうる値であると考えられた。 本システムを応用してHellmanの歯齢IIC期(6歳8か月),32か月後のIIIA期(9歳4か月),さらに17か月後のIIIA期(10歳9か月)の経年的な歯列石膏模型を得ることができた男児1名を被験者とし,上顎右側第二乳臼歯について解析を行った。まず,これら咬...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 2004/03/25, Vol.42(1), pp.1-11 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 成長期の小児において,咀嚼機能の軌跡であると考えられる乳臼歯咬合面形態の経時的変化を明らかにする目的で,接触型三次元座標測定装置を用いた形態データの重ね合わせシステムを開発した。このシステムに関する精度を形状測定用基準ブロックおよび上顎右側第一大臼歯を用いて算出した結果,両者とも高い精度を有し,解析に十分耐えうる値であると考えられた。 本システムを応用してHellmanの歯齢IIC期(6歳8か月),32か月後のIIIA期(9歳4か月),さらに17か月後のIIIA期(10歳9か月)の経年的な歯列石膏模型を得ることができた男児1名を被験者とし,上顎右側第二乳臼歯について解析を行った。まず,これら咬合面形態を重ね合わせ,咬頭や咬合小面の高さおよび範囲の変化を直接比較し,その変化を元に咬耗量の算出を行った。さらに,高さの差を等高線で示すことで視覚的にも咬合面形態の変化を明らかにすることが可能となった。その結果,咬耗量は6歳8か月から9歳4か月までは4.6mm3,9歳4か月から10歳9か月までは2.1mm3,そして計測を行った期間で咬合面は遠心舌側咬頭を除く全ての咬頭に咬耗が認められ,急峻な斜面がより水平的に変化してゆく様がうかがえた。 今後,この研究をさらに発展させ,咬合面形態と機能との関連性を明らかにすることも重要であると考えられた。 |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.42.1_1 |