1 小児および思春期における顎関節症の診査, 診断と処置‐臨床およびレントゲン(CTとMRI)診査について

小児および思春期における顎関節症は, 小児歯科臨床において近年多く認められるようになってきた. また, 学校歯科保健でも顎関節異常を診査することが義務付けられてきており, 小児歯科医にとって顎関節症について十分に熟知することが重要になってきている. そこで, 今回著者らは, 小児および思春期における顎関節症の症状に基づく簡単な診査方法を考案したので報告した. 「診査」:1. 顎関節雑音(約80%, 初期症状, クリック音)には, 聴診器を使用して雑音の発生位置を確認する. 2. 顎関節部疼痛(約10%)には, 左右側顎関節部を手指で触診して疼痛部位を確認する. 3. 開口障害(約10%)には,...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 2003, Vol.41 (3), p.633-633
Hauptverfasser: 嘉藤幹夫, 柳田二美, 保井純枝, 杉田やよい, 佐野祥子, 西野栄四, 大東道治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:小児および思春期における顎関節症は, 小児歯科臨床において近年多く認められるようになってきた. また, 学校歯科保健でも顎関節異常を診査することが義務付けられてきており, 小児歯科医にとって顎関節症について十分に熟知することが重要になってきている. そこで, 今回著者らは, 小児および思春期における顎関節症の症状に基づく簡単な診査方法を考案したので報告した. 「診査」:1. 顎関節雑音(約80%, 初期症状, クリック音)には, 聴診器を使用して雑音の発生位置を確認する. 2. 顎関節部疼痛(約10%)には, 左右側顎関節部を手指で触診して疼痛部位を確認する. 3. 開口障害(約10%)には, 開口度測定器を使用して最大開口距離を測定する. 4. 異常顎運動には, 閉口時と開口時の正中線と下顎骨の偏位について確認する. 小児および思春期における顎関節症は, ほとんどが顎関節症分類でIII型の顎関節内障であるため, 関節頭と関節円板の動きに問題が多いので, レントゲン診査では, CTとMRIを撮影して, 関節頭と関節円板の状態を確認する. 小児および思春期における顎関節症は, 日常の小児歯科診療や学校歯科検診において発見することが多い. そのときレントゲン診査でCTやMRIを撮影することができれば, 確定的な診断や症状の改善を確認することができる. しかし, レントゲンの設備がない場合でも小児および思春期の顎関節症は, 顎関節内障がほとんどであるため簡単な臨床的診査でも顎関節症の診断や処置に十分に活用することできるものと考えられる.
ISSN:0583-1199